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“収入を増やす”以外の副業をやる意味

最近、副業に関する広告をSNS等でよく目にするようになりました。(自分の場合は、そういう広告を一度クリックしてしまったせいなのですが…)
そうした広告を見ていて思うのが、たったこれだけで本業+◯◯万円稼げるといった収入面を訴求するものが圧倒的に多いなということ。

収入を増やすというのは大切なことです。
しかし、副業は収入を増やすためだけのものなのか。

私は、副業をやることには収入を増やす以外に3つの意味があると思っています。


1.  やりがいを確保する

特に会社員をしていると誰しもが経験したことがあるんじゃないかと思うのですが、仕事をしていると、ロクデモナイ仕事をやらなければいけないときがあります。

上司の見栄のため。
うちの会社ではそうだから。
決まりだから。

このような理由でやらされる仕事は、自分のスキルアップにもつながらず、やりがいも感じられないため、ロクデモナイ仕事と私は呼んでいます。私はこのような仕事が舞い込んできたときは、無視するか、やらない理由を探してはね返すようにしています。
しかし、多くの場合はそうできないことが多いかと思います。そのときの対処法として山口周さんがnoteの記事でパッシブアプローチという方法を提案されています。

パッシブアプローチとは、つまり「テキトーにやり過ごす」というアプローチです。クソ上司の下でいくら努力しても、組織内での評価は高まらず、また成長につながる良い経験もできない、ということはすでに指摘しました。

こういう環境条件のもとで、仕事に対して出力を高めるのは人生の無駄遣いでしかありません。自分のエンジンをエコモードに切り替えて、徹底的な低燃費を図るというのがこのアプローチです。そこで浮いたエネルギーを余暇活動に充てることで将来の肥やし=「正味現在価値の高い人的資本」に転換するというのもいいでしょう。

パッシブアプローチで大事なのは「徹底して受け流す」ということです。クソ上司は頭が悪いのにそれを認めようとしないため、他人とのコミュニケーションで「カチン」とくることを乱発する傾向があるのですが、そのたびにいちいち反論しているのは、それこそ「スジの悪い仕事」ということになってしまいます。

山口周  “#076 スジの悪い仕事の断捨離 3/3”

10年前に知りたかったと思うほど,私にとっては納得させられる内容でした。私も,ロクデモナイ仕事に対してどうしても無視できず,跳ね返すこともできない場合は,このように徹底的に時間をかけずに済ませるようにしています。

このときに精神安定の上で大事になってくるのが,やりがいの確保です。私は,これを副業で補えるのではないかと思っています。ロクデモナイ仕事が多いほど,自分の成長の機会ややりがいが少ないということになります。そういうときこそ,ロクデモナイ仕事を徹底して省力化しながら済ませ,自分の成長とやりがいを確保できる副業に時間と労力をそそぐ。今の時代の新しい働き方ではないかなと思っています。

パッシブアプローチは一時的な対応策だと山口さんはおっしゃっています。ロクデモナイ仕事が多すぎて,やりがいが少ないと感じる場合は,上記の方法を最大限にとりながら,よりよい環境を模索し,異動するなり,転職するなり,起業するなり,副業とのほどよいバランスをとれるように仕事を調整するなりして,自分にあった働き方を見つけるように”動く”ということが大切だと思います。


2.  新たな経験を得る

上記でも少し触れたことですが,副業には,やりがい以外にも自分の成長の機会を得ようと思えば得られるという意味も含まれるように思います。

先日,ある出版社の編集長とお話していたとき,編集長が「会社の中では,ある程度はやりきった。だからこそ,新しいことがしたくなって外に出るようになった」とおっしゃっていました。私も,本を作るという仕事は常に新しいことを考えられるため,編集という仕事は好きで続けていきたいという気持ちがあります。しかし,それとは別に会社の中にいてできることには限界があるようにも思います。だからこそ,自分の今のスペックで社会の中で何ができるのか,今のスキルを別のことに生かせないか,など自分を試してみたいという気持ちともっと成長したいという気持ちが生まれてきます。

私が会社員とは別に仕事をするのは,この理由が大きいなと感じています。本を1冊作るとなると,大きな資本と多くの人の助けがないと作れません。これを,個人で行うのはかなり厳しいので,会社という大きな枠組みの中でそれができるのは,個人的にとてもありがたいと思っています。それとは別に,自分自身の挑戦や成長のために副業という形で,会社以外で働くということは少なくとも私には合っている働き方かなとも思っています。

本以外の商品のコンセプトや販促方法を考えたり,ふだん手がけるジャンル以外の本を作ったり,起業家さんの考えをいっしょに整理したりと,このような新たな経験を得られることは,副業をやる大きな意味だと思います。


3.  新たな人とのつながりを増やす

3つ目の意味としてあげたいのが,新たな人とのつながりを増やせるということです。副業には,別会社で働く,フリーとして仕事を請け負う,起業して新たな事業を始める等さまざまな形があるかと思います。その際,1人で完結させることは不可能です。必ず,お客さまや仕事仲間など新たな人と出会うことになります。

私の場合,副業をはじめてから,業界内の人以外で,ふだん接することのないであろう人との出会いが多くなりました。女性起業家さんや中小企業の経営者さん,コンサルタントの方などとの出会いがそうなのですが,そういう方と接していて思うことが,稚拙な表現で申し訳ないのですが,「素敵だな」ということ。お話していて,自分の未熟さに気づけたり,素直に尊敬できたりするため,出会えてよかったと心から思っています。

会社にいては出会えない人との出会いは,自分を鼓舞してくれたり,勇気づけてくれたり,新たな仕事を引き寄せてくれたりするため,私にとってはすごくありがたく,貴重なものです。


近年は,起業して自分でビジネスを始めるという人が増えていると思います。個人事業主として自由に働くというのも選択肢のひとつです。その中で,副業するというのは,本業との二足の草鞋を履くということ。これもまた,あくまで選択肢のひとつです。自分にとっての働き方とは…と常に自問自答しながら,目の前の仕事をどう捉えて,自分なりにどう動いていくかを考え続けたいものです。



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