砂沼から言葉歩いて-2020-12

砂沼から言葉歩いてー2020
2020　第六巻　 1月から12月 　2010年3月　脳梗塞から九年目　失語症・言語発達障害・　聴覚障害高次脳機能障害・発声発語・感覚障害

砂沼から言葉歩いて-2020-12

俳句

●冬色の並木が染まり町煉瓦　俊克
●落ち込んで悲し気分のをしコロナ　俊克
●修復の冬の万葉菩薩像　俊克
●冬鬱や香るインクのガラスペン　俊克
●実の先に千個さまざま仏手柑　俊克
●底冷えに基礎疾患の重症化　俊克
●わらぼっち束ねかぶせる冬囲い　俊克
●色が濃く夕焼け姫の蜜柑かな　俊克
●創出し冬の生花の髪飾り　俊克
●アレンジの鰤照多彩蒸す風味　俊克
●白鳥を群れの翼のねいの里　俊克
⦿研究で夢の翼の落ち葉裏　俊克
●ねっとりと冬の干し芋甘み増す　俊克
●神々の寂しさや秩父夜祭　俊克
●三密のマスク手洗い積み重ね　俊克
⦿貝焼のつなぐ横丁屋台風　俊克
●鰰は男鹿の祈願の正念場　俊克
●左手の手紙を母へ北颪　俊克
●鉄板で牡蠣の蒸し焼きあつあつと　俊克
●山茶花や衣干山の唐津湾　俊克
●表情の踊る楽しささせぼ祭り　俊克
●大雪や連峰聞こえひたひたと　俊克
●両脇に枝の赤褐冬紅葉　俊克
●冬の蓮畳に咲いて御影堂　俊克
●千両やつやの赤黄の縁起物　俊克
●新調の晴の着物や針供養　俊克
●日の出まで網を動かし冬の稚魚　俊克
●光差し凪の教会クリスマス　俊克
●燻製の香ばし匂い聖夜待つ　俊克
●縄文の勾玉出土年の暮　俊克
●四匹のハタハタ釣れて母の顔　俊克
●串に刺し子持ちハタハタ大黒天　俊克
●光浴び水が織りなす冬ロマン　俊克
●異議ありと誓いの鐘や虎落笛　俊克
●年流る失った夜持て余し　俊克
●コロナ禍に買いだめ客の師走かな　俊克
●降りしきる城址積もり雪作業　俊克
●木星と土星ならんで冬の月
●かがり火や針金刺して焼き蜜柑
●結氷のさらに迫力響く滝
●到来の誘客できずスキー場
⦿雪化粧眺め銀閣水墨画
●ちゃんちゃんこ祖母が来ていた朝ご飯　俊克
●煤払い知られ古刹の大天狗　俊克
●七色のポインセチアは目を引いて　俊克
●冬苺追われケーキのLとM　俊克
⦿下妻の砂沼南西冬の鹿　俊克
●彩色の師走夜空にサプライズ　俊克
●びっしりと温泉もやしからしばれ　俊克
●茅はがれ遺産の屋根に雪下ろし　俊克
●佐世保独楽長く回るや冬日和　俊克
●電飾で水郷潮来冬の藤　俊克
●水行の何度もかぶり冬至僧　俊克
●赤チンの終了惜しむ暮の冬　俊克
●祝福の夜空彩り冬花火　俊克
●艦艇を光で飾り聖夜かな　俊克
●脳壊れ文字が忘れて日記買ふ　俊克
●葉を手描き冬の型染め雲竜紙　俊克
⦿寒鮒の風が穏やか網の花　俊克
●餅つきのコロナ三密行事消え　俊克

短歌

●初滑りコースにぎわいスキー客
相乗り禁止やっぱり楽し　俊克

●丹頂の染まる朝日に響く声
吐息美し逆光染まる　俊克

●きらめいた冬は彩り木々ライト
光るオブジェの引いてペンギン　俊克

●あちこちのコロナ感染道府県
医療崩壊静かに起きた　俊克

●トラベルを一時停止の機会無く
賀正手書きの感謝の気持ち　俊克

●双頭の二つの頭ヘビ死骸
尻尾と骨と双頭のヘビ　俊克
　
●煙突へ炎パチパチ夢の窯
赤い炎の俺の作品　俊克

●スキー場ラッピングされ白馬村
身近に感じ絵のシャトルバス　俊克

●水仙が甘い香りに白い花
盛りに咲かせ大雪の待　俊克

●新しくくぐり初めの大鳥居
鏑矢放つ奥の一の鳥居　俊克