緩すぎる自己流ヨガのススメ

面倒くさがりで継続の苦手な私が、十年近く細々と続けていることがある。
それはヨガだ。何か手軽に始められる習慣を探している人がいたら、ぜひお勧めしたい。

まず、ヨガは自宅で出来るのがいい。
二畳ぐらいのスペースがあれば十分だ。ヨガマットは2、3000円ほどで手に入る。私は最初、居間のカーペットの上で試みたのだけど、開脚して立つ時に足がズルズル滑るので困った。マットがあれば快適だし、カーペットを傷めない。そして気分が上がるのでオススメである。

ヨガは一人で出来るのがいい。
私は最初、初心者向けの教則DVDを買った。30分ぐらいで、基礎的な一連のポーズや動きをじっくりと行う内容だ。
身体を動かす時に意識するポイント(呼吸の仕方・どこの部位を伸ばすか・何をイメージしながら動かすか等)を丁寧に解説しながら進めてくれる。
全くの一から始めるのは心細いけれど、ヨガ教室に通うのはハードルが高いなあ…と思っていた自分には入門編としてとても有り難かった。

もちろん今はYouTubeで、様々なヨガの動画が無料で見られるので活用している。インストラクターさんは自己肯定感を上げてくれるような励ましやいたわりの言葉を掛けながら、無理のないポーズを教えてくれるので続けやすい。動画を見ながら一人でヨガを始めてみるのがオススメである。

ヨガはしんどくないから最高だ。
運動不足を嘆きつつもランニングや筋トレが続かない大きな理由は、しんどいからだと思う。

ヨガは呼吸の吸って〜、吐いて〜に合わせてゆったりとしたリズムで行う。無理がない。自分は身体が硬いので時にダイナミックなポーズで息が上がってしまう事もあるのだが、前述の通り一人でやっているからいつでも休憩できる。

多くの場合、きついポーズを取った後に穏やかなポーズが続くので余裕を取り戻すことができる。
しんどくないのに血行はよくなるし柔軟性は上がる、何より身体を動かしたという達成感が味わえるのでオススメだ。

こうやって書き連ねてみると、ヨガは身体的・心理的・経済的に負担が少ないので新しく始めるのに最適だと思う。
ヨガをすることによる自分的メリットも緩く紹介したい。

まず、ヨガをすると痩せる。
二の腕、腰回り、ふくらはぎがすっきりする。(劇的に身体が細くなることはないが、たぶんそれは…私がゆるやかに続けているからなのだろう)
一週間続けると、わずかにだが腰のくびれができた。これは少なくとも自分にとって重要な出来事だった。

そしてヨガをしてから寝ると、安眠できるうえ、翌朝の爽快感が半端ない。
血液、リンパの流れがよくなるから全身が物理的に気持ちいい。この気持ちよさを味わってほしい。ていうか今までどれだけ滞ってたんだろう…と怖くなるくらい。慢性的な運動不足の方にやってみてほしい。


ヨガの最後にはシャバーサナというポーズがある。
シャバーサナは仰向けになり、目を閉じて全身の力を抜いていく。そしてただ重力に身をまかせ呼吸し、心身を休めるのだ。
先ほど述べた私の信奉するヨガ教則DVDでは、シャバーサナは必ず最後に行ってほしいものと解説していた。

シンプルな動作だが、ヨガにはシャバーサナや瞑想など、頭と心をからっぽにする「静」の時間がある。
普段頭を忙しなく働かせている私達は、そう簡単に空っぽにはなれない。だけど静かな時間を持つことで、自分がいかに多くの物を詰め込んで疲労しているのか気付くことができる。

荒れ狂っていた心がふっと静かになる瞬間を会得できる。これがヨガをする醍醐味だと私は考える。

最後に、自分がヨガをするデメリットを強いて挙げるなら、ヨガって効果ある？と夫にからかわれる事だ。
太る事を食い止められているとは思うのだが…ゆるゆると十分、十五分のヨガを継続している今の自分では、同居人をして頷かせるほどの体型にはなっていない。

だけど私はこれからもヨガを続けていくだろう。
九十歳を越えてなお現役で働き、『世界最高齢の総務部員』としてギネス世界記録に認定された玉置泰子さんは、五十年毎朝ヨガをしているらしい。
後に続いてコツコツと積み重ねていきたいと思う。
小さくても確かな自信が育っていくと、信じて疑わないのだ。

#習慣にしていること