見出し画像

現場の改善を評価するコツ

改善の効果が大きい=良い改善ではない!

 「改善」の一歩目は気づいた点を評価するのです。
「気づき」の評価は改善効果の大きさではなく、着眼点に対して評価します。
効果は後からついてきます。
なぜなら、物流は日々、取り扱う物量があり、繋がっていますので、わずかな気づきでも効果は継続して、大きくなってきます。
そして気付くポイントを広げることで、効果につながるアイテムが広がってきます。

参考:No.28 現場から改善提案を増やすコツ

「改善」の一歩目は「気づき」

効果の大きさを理解できるようにしていくことが肝要です。
効果の大小にかかわらず、改善提案や創意工夫が自律的に出るようになれば
合計すると大きな効果になっています。

 改善効果は定量的に算出する

効果は定量的に算出することが大切です。
色々な目線で、物事をとらえれば、感覚的なものから数値に置き換えて、その効果の大きさを計ることができます。

コスト・作業工数の低減

コスト・工数の低減作業工数の低減は、わずかな手間や動作、作業工数でも月や年単位で見ると大きな工数低減効果が得られます。
探す、やり直す、待機するなどの見直しにより、ムダ工数の低減につながります。

作業品質の向上

品質を向上させる目線での「気づき」も、リスクの排除をするということは、ミスが起きた時の巻き返し挽回、再発防止対策、客先への謝罪などのムダ工数の低減につながります。
大きくは、後処理に追われる管理監督者の負荷に大きく寄与できる部分です。また、品質劣化は売り上げにも大きな影響を与えます。

安全面の改善

安全性の向上、事故の未然防止などは、リスクアセスメント評価や発生後の対応工数、作業負荷の低減などは姿勢重量点評価などで定量的に評価ができます。

改善の本当の効果

毎日行う作業に関わる工数を100円/日の改善の例です。
(@25円/分で換算すれば、4分/日、30秒/Hの低減効果です)
例えば、「右にあると少しやりにくい」などの気づきがありました。
現状では、右利き前提の作業工程でテープ台が右に据え付けてあります。
つまり、左利きの作業者には常にやりにくさがあります。
利き手に合わせて可変できる作業工程にすれば、やりにくさは解消され、ストレスも減り、生産性は上がります。
この人からは、
「こんなことは言ってはダメではないか」という壁がなくなり、
「やり易くなった」という体感が実感でき、
「我慢しなくてもいいんだ」という満足感があり、
「小さなことでも評価してもらえた」という充実感がうまれます。
「こんなことでも言ってみたらやり易くしてくれた」とモチベーションが上がります。
やりたくなる理由しか見つからないですよね。

継続的な改善の大切さ

この改善による年間効果は100円/日×250日/年=25,000円/年 です。
ここで終わると25,000円/年だけの改善効果です。
もう一つの考え方です。
この改善を100日継続すると100円×100日=10,000円 の効果が得られます。ここで、この10,000円の効果を使って、道具を整備してさらに30秒/hの改善をすすめます。
すると、
① 100円×100日10,000円
② 200円×150日30,000円 (年間250日)
のように継続した改善は30,000円/年の効果を得ることができます。
同じ1年でも改善効果の使い方で、+5,000円/年の効果になります。
さらにこれが、複数の改善件数×提案者数 になると改善効果はワクワクしますね。

改善評価は全員に伝える

こんな気付きが、改善によって、こんな素晴らしい効果につながったと
朝礼などで全員に披露します。
本人は照れ臭いが、嬉しさもあり、周りは、「こういう気付きでいいんだ」ということがわかります。
おそらく、皆さんが何かしら我慢してきたことはあるはずです。
我慢が解消されれば、さらに「ここは?」という広がりを見せてきます。
嬉しさをみんなで共有してください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?