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「〇〇ができる」≠「満足できる」ではない。

「〇〇ができるようになった」と「できた〇〇を満足できる」と言う事はイコールではない。

例えば,
うちの子が、カレーライスが作れるようになった。
確かに出来上がったものはカレーライスのように見える。
その見た目はカレーライスだが食べてみるまでわからない。
そして食べてみたら同じ見た目だが、甘いものかもしれない。
本人がカレーライスと思っているだけで、周りの人がカレーライスと認められないものかもしれない

「子供が初めて作った料理で、僕カレーライスできるようになったよ。」というのは親から見て成長を感じて嬉しいことです。
経験値の1つとして素晴らしいことだと思います。
挑戦して、一つに結果が出たことは、次につながる第一歩をクリアできて
次への期待感が膨らみます。
子供は作ったカレーを食べてもらって「どう?美味しい?」と感想を求めるでしょう。

そこで、親のコメントは二通りあります。
味が薄かったり、火が通っていなくても「美味しいよ」と作ったことを含めて全肯定で感想を述べる場合。
「美味しいよ」と伝えて、「もう少し濃い味のがもっと美味しいな」「火加減は難しいな」と共感し、アドバイスする場合。

今の時代、どちらが正しいのかはよくわからない。
私は、せっかく作ったのなら、皆が食べて満足してもらえるものを作れるようになってほしい。
それは、相手が満足した時にこぼれる表情を知ってほしいからだ。
それを知ると、いろいろなものに取り組み、よくなる工夫ができるようになると考えているからです。

大人たちがいう「できるようになりました」は慎重に

しかし、「〇〇ができるようになった」と大人が言う事は若干、意味が違ってくると思います。
つまり、できるっていう言葉の意味合いが、過剰な期待を寄せて自分に実力が備わっていると、勘違いさせる場合があります。
大人が「〇〇ができるようになった」と報道した場合、記事の後の方には「いよいよ実証実験に入ります」って書いてあります。
という事は、実際に運用できる状況には、まだないと言う事になります。
極めて整った優位な条件の中、想定される不具合要因を盛り込まないまま「動かすことができた」は「実運用できるレベルにはない」ということです。
なぜなら整った環境下で、制約された作業条件で、それが続く現場はないからです。

物流DXの進捗を正直に社会に伝える大切さ

物流のDXを進める中でも「できた」と言うポジティブワードがいっぱい飛び交っています。
それは自分たちが先手をとって有効に作っているって伝えたいのかもしれません。が、言うべき事は「〇〇がどこまでできた」「いつまでにこれをすることで、いつからこれが実用段階に入ります。」
当然、そこには実証検証等は終わった結果ありきです。
ポジティブワードだけが先行して広がっていくと、みんなの危機感が薄れてリスクを感じなくなってしまいます。
『なんかできるって言ってたよね。」「煽っているけど大丈夫じゃないの」
今のまま、蓋を開けたら「さぁ、びっくり」浦島太郎の世界になってしまいます。
皆が冷静に客観的に物事を評価することで、今これからの3年間5年間大きく構えが変わってくると思います。
「ロボットが受注したコーヒーを客先まで届けることが、できるようになりました!」
できていますね。
人が歩いて抜いてしまうスピードで、フラットな床面だけを動いていますけど…。
これは誰もが満足できるものでしょうか?

DX推進について社会に伝えるロードマップ

早く様々な物流DXが運用できている世界になるのを期待しています。
どんどんスピードアップしていくことと期待しています。
ただし、現在の「できたアピール」8割の表現では、リスクに目がいかず結果として開発スピードは鈍化します。
進捗報告として、できるようになったことを4割、まだできないことを4割、いつまでにこうしていきたいを2割で表現してもらえると、社会全体で具体的に共有できるようになり、、物流2024以降の様々な起こりうる事象を受け入れる準備ができてくると思います。


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