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小・中学生にもっと物流を知ってもらいたい

物流はどうなっていくんだろう

小学生に「物流って知ってる?」と聞いてみた。
「知ってるよ。トラックの運転手さんだよね。」
「トラックの運転手さん以外でどんな仕事がある?」
「知らない。」
今度は、「お店にある品物はどうやってここに来るの?」と聞いてみた。
野菜は農家が、魚は漁師が運んでくると答えた。
家で欲しいものがあったら、Amazonの人が持ってくるとの回答も。
どうもそれを作ったり、手に入れた者が運んでくると理解していて、職業や機能とは結びついて理解はできていないようである。

物流は「モノを運ぶサービス?」

モノを運んでくる人がやっていることを「物流」と考えているようである。
そして、社会生活を送っていく上で、物流は無くてはならないサービス機能であると認識している人は多くない。
現在の小売店などで、物流が遅れることで欠品になると真っ先に困るのは消費者なのだが…。
災害発生時の必要な物資の運搬など人の命に関わることもあるのだが、それは自衛隊の仕事と思われていて、機能と職業がごちゃごちゃになっているようである。

物流の重要性を学ぶことの大切さ

物流は全ての業種に関わり、現在の社会生活を送る上でも大きな役割があり、多大な影響も与えます。
ビジネスでも海外諸国との輸出入においてもグローバルなつながりを持ち、重要な機能を果たしている。
このスケールの大きさと影響力を若者に知ってもらいたいんです。
物流はなくてはならないモノです。

以前、物流セミナーで、「物流はないのが一番良い」と教えられたことがあります。衝撃を受けたが言葉だったが、時間と場所に隔たりがある以上、必ず発生するということである。つまり、無くすことができない重要な機能である。
これをもっと具体的に知ってもらいたい。

小学校、中学校での指導に期待

小学校、中学校で「物流・ロジスティクス」を学ぶことは、経済活動、社会生活を維持していく上でとても重要なことである。
これを理解させることは、興味・関心を高め、仕事の意義、社会への貢献など動機の強化につながり、長期的視点で社会的ステータスの向上、慢性的な物流業界の人手不足の解消につながっていくのではないだろうかと思います。

平成28年度には国交省から、
「産業活動や国民生活を支える物流の果たす役割はますます増大しているが、小・中学校等における教育課程でこうした物流の社会 的意義について十分に伝わっているとは言いがたい。」という見解が出された。
※「学習指導要領における物流関連記述の充実化に向けて」から

●当時の物流関連記述概要
<小学校社会科(平成23年改訂)>
「生産地と消費地を結 ぶ運輸などの働き」
<中学校社会科 地理的分野(平成24年改訂)>
「世界的視野から日本と世界との交通・通信網の発達の様子や物流を理解させるとともに、国内の交通・通信網の整備状況を取り上げ、日本と世界の結び 付きや国内各地の結び付きの特色を大観させる」こととされている。

●学習指導要領の改訂
物流についての記述の充実化を図るべき内容として、下記が示されている。
1.宅配サービス等がますます日常生活に浸透していく中で、日用品から 工業製品まであらゆる物の輸送を行うことで国民の日常生活、経済活動を支えている物流の重要性が増していること
2.物流機能が途絶した場合、我が国の経済活動・国民生活が維持できな くなること、特に、災害時の支援物資輸送などの局面で物流機能の確保が非常に重要になること

とされている。

どこまで伝わるのだろうか

学習指導要領の記述だけで、理解させることは難しいんじゃないかな。
教える先生たちもサプライチェーン上にある機能やそれぞれの代表的な物流プロセスまで理解して伝えきれているのかな?
営業の仕事、総務の仕事のように物流の仕事を同等のレベルで説明してくれていることに期待したい。

将来への期待

物流はあらゆる業種にあり、複数の物流プロセスで成り立っている。
それを小中学生が具体的にイメージできることが必要であろう。
子供の頃から「物流・ロジスティクス」をしっかりと学べば、トラック輸送だけの理解ではなく、機能の重要性、社会貢献度などの理解の広がりにつながっていく。
「物流=トラックドライバー」のみから脱却することを考えていかないと、物流人材の不足による物流DXの遅れを解消、逆転できないのではないだろうか。
我々、物流に携わる者が少しでも若者の「興味」「関心」「期待」につながることの支援ができれば良いなと思います。

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