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「読書酒紀」 3回目 放送後記

※番組が終わるたびに、パーソナリティが番組の感想を語り、番組中に取り上げた本のリンクと紹介をしていきます。

回目リンク

「読書酒紀」第3回、先攻を務めました瀬山です。
今回のテーマは「手紙」でしたね。ラジオ本編の冒頭でも触れたように、私は一時期野中さんの熱に中てられて往復書簡を送りあったことがあります。
当時は楽しんでいましたが、友達との関係としては情緒がこもりすぎて少々気持ち悪いですね。SNSの軽さに慣れ過ぎました。
個人的には「手紙」の本質的な部分よりもディテールの部分、封蝋であったり絵葉書であったりの方に思い入れがあります。かくいう自分も年賀はがきなどを出さなくなって久しいですが、来年はリハビリがてら野中さんにでも送ってみましょうか。

今回紹介した3冊の本

・『ポー詩集』阿部保 訳
エドガー・アラン・ポーの詩を日本の詩人・英文学者である阿部保氏が翻訳した一冊。ポーの詩作における最有名作である一篇目の”大鴉”を除いて、発表年代順に掲載されている。
愛する人との別れに満ちたポーの生涯は、その詩に執拗なまでの陰鬱な影を落としている。『詩の原理』などと共に読むのがオススメ。

・『戦時の手紙 ジャック・ヴァシェ大全』原智弘 訳著
ダダイズムやシュルレアリスムの原動力の1つとなった早熟の天才ジャック・ヴァシェをそのまま降臨させようとした挑戦的な著作であると理解している。
特筆すべきは、ヴァシェを憑依させるような形で書かれた「ジャック・ヴァシェの召喚」であろう。これから読まれる方には、是非「ジャック・ヴァシェの召喚」を最初に読んでから、その熱を帯びたまま全体を通読していただきたい。

・『麻薬書簡』ウィリアム・バロウズ アレン・ギンズバーグ著、山形浩生訳
ビート・ジェネレーションの代表的作家であるバロウズとギンズバーグによって「手紙」形式で書かれた一冊。
麻薬・性病・賄賂etc…、現代日本に暮らす我々にとってはナンセンスな事柄が撒き散らされている。こういった作品を読み、眉を顰めることで自分の良識を再確認することも時には必要なのではないだろうか。

『読書酒紀』番組URL
https://open.spotify.com/show/36X5GlyHQcAavgvrcUvIf2

お便りフォーム(いただいたお便りは必ず番組で紹介します)
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf5FXfc1gEew5YN27tg3rdPEa-AZgViEM0khg_QiHzSCQukVw/viewform


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