日差し、読書、蚊取り線香

この頃、よく子供の頃の自分と今の自分を比べることをしがちなのだが、今も昔も変わっていないことは私が出不精であることだ。

ただ、変わったことといえば少し外の空気を吸いたくなるようになったことだ。
部屋の空気だけではどうも肺が満たされず、脳に刺激が来ないことに気づいた。

だが散歩するには腰が重い。
どれくらいがちょうどいい距離感なのかもわからない。
性格上、近所を5-10分程度歩くようにちょっとずつ進めていくのはすぐ飽きる。
だが、逆に20-30分程度歩くようなことをすれば翌日には両脚が言うことを聞かなくなっているのもお見通しだ。
あゝ、面倒くさい。

試行錯誤の末、導いた答えは庭での読書である。
これなら外に出て運動をしていなくても、手持ち無沙汰になることはない。
天気のいい日、昼前くらいからは真上から注いでくる日差しと、鬱陶しい湿気に気をつけなければならない。
慣れてしまえば天然のサウナのように思えてくる。心なしかいい汗をかいているような錯覚に陥る。
また季節柄、虫が多いので虫除けスプレーと蚊取り線香はマストである。前者は汗で垂れ流されてしまう貧弱さがあるが、後者は淡々と薄い白煙をあげて、音も立てずに長時間身体を虫から守ってくれる、さながら寡黙なボディガードと言うべきか。

そんなしょうもないことを考えながら、日の下手に取った本はハンター・S・トンプソン『Fear and Loathing in Las Vegas』(1971)

1970年代のアメリカを舞台に“アメリカン・ドリーム”を追い求めてトリップしながらラスベガスの街を縦横無尽に駆け巡るジャーナリストの物語である。
1998年にジョニー・デップ主演で映画化もされたし、確か本の題名が日本のロックバンドの由来になっていた。

いつかこの本の感想を書きたい。

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