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久しぶりに公開授業へ

6月23日(金)は、春日井市立出川小学校の今年度第一回の校内授業研究会にお伺いしてきました。

同校は昨年度の全日本工学研究協議会全国大会の会場校になった学校の一つで、2011年から日常的なICT活用を研究しています。

その様子は至るところで取り上げられていますが、最新版といえば、今年4月に文部科学省の YouTube で公開された授業の様子でしょうか。(8分56秒から)2年生国語科での1人1台の Chromebook と Google Workspace for Education を活用した実践が紹介されています。

「一人ひとりが自分のペースで学習を進めることができるし、他の人の意見をすばやく参照できるようになったことは、端末とクラウド活用のメリットです」と語る福井教諭の声が印象的です。

かすがいスタンダード

ちなみに、春日井市の取り組みが全国的に注目されるようになったのは、2014年ぐらいのことだったと思います。学習者が学びに集中して向かえるよう学習規律の徹底を図り、学習道具を机にどのように置くか、ノートの書き方のコツ、挙手や発言の仕方などを校内で統一することで学級運営の安定化を実現しました。

その土台のうえに、わかりやすい授業づくりとしてICTを有効活用。例えば、実物投影機を用いて教師の指示を明確にしたり、フラッシュ型教材で子どもの興味を引き付けたりするなどといった取り組みを行うことで、ICT活用の効果を高めてきました。

こうしたベースとなる考え方は「かすがいスタンダード」として、市内に浸透し、日常的にICTを活用する礎ができあがってきていたのです。

確か、それに関する書籍が出ていたはずだと思って、ググってみましたが、ありましたよー

でも、この書籍はびっくりですね!!
著者が春日井市教育委員会になっています!!驚
それだけ当時から教育委員会がこのテーマに力を入れていた証拠だと思うのですが、こういう座組みはあんまり見ないケースだと思うんですよね。
(原稿料はどうしたんだろう?ってところも気になりますね。笑)

研修開発学校としてのチャレンジ

そして、今年度からは文部科学省の研究開発学校として、GIGAスクール構想により整備された1人1台端末やクラウド環境を効果的に活用して情報活用能力を育成することを目標とする「情報の時間」(年間35時間)を創設。

  1. 教科横断的な視点を常に意識した学習活動のあり方

  2. 情報活用能力の体系的・系統的な育成のための教育課程

  3. 教材の共有、リーダー育成などの指導体制の確立

を大きなテーマに掲げて研究開発に取り組んでいるとのこと。
個人的にはとても関心のあるテーマ。今後の取り組みに期待しています!!

豪華メニューのフルコース

この日の授業公開研究会では、国語と算数の研究授業2本に加え、普段の授業の様子も公開いただき、さらに学校の取り組み共有や市教委からの市全体の活動報告、授業の研究協議、さらに有識者に講演もセットになった盛りだくさんの内容でした!!

授業の詳細は誰かがきっとまとめてくれると思うので(他人任せ・笑)、びっくりした研究会の運営方法について書き残しておきます。

ざっと以下の5点は特徴的だったと思います。

  1. 学校の取り組みは参加者に動画で共有

  2. 指導案も事前にPDFで配付されるだけ

  3. 受付も Google フォームから入力するのみ

  4. アンケートも Google フォームから入力するのみ

  5. 市教委による報告と研究授業の事後協議を複線で展開

特に、1はこの授業公開研究会のために作成されたものなのかは不明ですが、前提となる知識を得たうえで臨めるのでとてもありがたかったです。

2はPDFじゃなくて、リンク共有できるようになると、授業者がちょっと変更したいと思ったときに便利なのにと思いましたwww(これは別の話か…)

なかでも5はとてもいいアイデアでした!!
参加者といっても属性はいろいろあって、授業者もいれば教育委員会関係者もいると思うのです。そうしたときに授業を深めたい人と、教育委員会の立場では見る視点も聞きたいことも変わってきて当然です。

今回の授業公開研究会では、市教委による取り組み発表と授業の事後協議が選べるようになっていたので、とてもユーザーフレンドリーな設計だったと感じました。まぁ、それには当然、市教委の協力がないと実現できないわけですが…

授業や校務のDXが求められるなかにあって、授業公開研究会にもDXの風が吹き込んで来るといいなぁと思った1日でした。たくさんの学びをありがとうございました!!

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