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オリエント急行殺人事件の時系列を(適当に)まとめてみた話


1 思い付きは突然に

事のきっかけはスパイ教室である。
スパイ教室01のオチが好きすぎて「これは古今東西の推理小説のトリックにも引けをとらないのでは?」と思ったものの

実際はどうなんだ?
スパイ教室のオチは特段珍しいものではなく、推理小説界隈ではよくあるネタなんだろうか?

と気になり始めた事が由来し、

「それならばいっそのこと世界的名著の推理小説を読んでみてスパイ教室のオチと比べてみようではないか」

との考えに至り、読み比べてるにあたり白羽の矢が立ったのが、かの有名な

アガサ・クリスティ著 「オリエント急行殺人事件」

にあいなった訳である。

何故この作品を選んだのか?
超絶有名作品でありながら、私が題名しか知らず、そのトリックや犯人を全く知らなかった為であります。

2 時系列を整理すると決めた理由

私は推理小説をあまり読まない。
過去に東野圭吾や横溝正史の金田一シリーズを読んだぐらいである。
特段読解力も無いので、トリックの説明をされてもピンと来ない。
ピンと来ないまま、今までは内容を深く読み解くこともせず、読み進めることを優先していたのですが、この「オリエント急行殺人事件」はいかんせん翻訳が分かりにくい。
英語を機械的に日本語に訳しただけのような文章であるため読みにくい。
その為、読み進めるうちに、誰が誰だか分からなくなる現象が発生してしまい、更に追い討ちをかけたのが、時間の表現方法で

”午前1時15分前”なる表現が度々出てくるが、これが”午前0時45分”なのか”午前1時14分ころ”

なのかが分かりづらい。

はじめはそれでも無理矢理読み進めていたのですが、途中から「この作品を適当に読み進めるのは少し勿体ないのではないか?」

と思い始めるに至った訳であります。

と言うのも、ポアロが事件に着手した頃から、各人物の台詞の矛盾点が至るところに散りばめられているような気がして、更にポアロの思わせ振りな台詞や態度を見逃しながら読むのは、この歴史的名著に触れている経験の価値が半減してしまうのでは?と何やら勿体無い気持ちが芽生え始めた為です。

それとキンドル端末で読んでいると、過去のページに戻りにくいのも時系列をまとめるきっかけになった理由の大きな一つだったりします。

実際90ページぐらいまで読み進めたのですが、ここは一旦始めに戻って改めて読み返してみることにします。

いざ行かん。
アガサ・クリスティの素晴らしき世界へ。

※注意書
この先はネタバレの宝庫です。私の為の備忘録化としますのでご注意を。
この文章はタブレットで作成しているので、スマホでの閲覧は非推奨。

3 オリエント急行殺人事件の感想

時系列じゃないんかい!
って突っ込まれそうですが、読み終えてしまったので感想を少し。

途中で「いや、そんなあからさまな」と思ったりもしましたが、本当にしてくるとは思わなかった。
おかげでこのオチを他の作家が使いにくくなったやん!
このオチがオリエント急行殺人事件以前から存在していたのかどうかは分かりませんが、この先このオチを使うと、「あ~オリエント急行殺人事件のやつやね」と思われると考えると先人は偉大である。

そしてスパイ教室の出来と対比するために読み始めた本作品でしたが、率直な感想を嘘偽りの無い気持ちで書くと、

オリエント急行殺人事件のオチが偉大すぎた。
実は、もう既にスパイ教室01のオチを忘れている私がいるのですが、おそらくオリエント急行殺人事件のオチは忘れないと思います。

”オチを忘れない”

この一点だけを見れば、オリエント急行殺人事件が如何に偉大か思い知らされました。
(だからと言ってスパイ教室の評価を下げるつもりは一切ありません。スパイ教室はスパイ教室の魅力があるのは間違いないです!)

ただ、翻訳がね~。
この一点だけが惜しい!

訳が現代風に変わっているバージョンがあれば、アガサ・クリスティの他の作品も読んでみたいです。

そしてコンプライアンスなる考え方が支配しつつある現代社会で、ポアロ的解決方法で締め括ったのは、アガサ・クリスティが残した宿題の一つでもあるようで、「正義」について考えさせられます。


4 時系列

※ この時系列は正確ではありませんが、間違いでもないと思います。そして事件解決前までの時系列です。

午前5時   シリア首都アレッポ 「タウルス急行」出発 ポアロ帰国
       (ポアロ イスタンブールで下車予定)
       乗客はポアロ含め3名
       ポアロ睡眠
        明晩午後時40分 コンスタンチノープル着予定

午前9時30分  ポアロ起床
        食堂車  メアリーと陸軍大佐、メアリーの家庭教師の話


午前11時30分  トルコ南部コニア市着
        メアリー、陸軍大佐  ホームに下車
        喧嘩?

午後2時30分  汽車停車
        食堂車の下でボヤ
        メアリー遅れると困ると慌てる
       (PM9時発のオリエント急行に接続して欲しい)

午後2時40分  発
~ハイダパッサ駅着  ポアロホテルに

ホテルで電報   スグカエラレタシ(午後7時50分)

ホテル食堂  二人のアメリカ人(若者、60代男)

座席が満員のためポアロの席なし。
ポアロ、遅れた客の2等7番の客室へ。
マッキーンと同部屋。

オリエント急行出発(発時間未記載、3日間の旅)

〜翌日
昼、ポアロ食堂車、ブック相席

車内……男性3名、ドラゴミロフ公爵夫人、メアリー、女性2名、アーバスノット大佐、中年女、一組の男女(ハンガリー公使)、ラチェット、マッキーン

ラチェット、ポアロに仕事依頼、ポアロ拒否

午後9時00分、エドワード最後にラチェットを見る

午後9時15分前、ベルグラード着
ポアロの荷物一番に移動。
午後9時15分発

ポアロの部屋の前、アーバスノットとマッキーンが会話
ハッバードと羊顔の女性会話

ハッバードの隣の部屋がラチェットの部屋

午後9時40分、従僕、薬を置いてラチェットの部屋を出る

マッキーンとアーバスノットがマッキーンの部屋に
ポアロの部屋、ラチェットの向こう隣

午後10時ごろ、マッキーン最後にラチェットを見る、マッキーン代筆の為に部屋へ
最後の脅迫文はコンスタンチンチノープルを発った日

午後10時30~45分、ハッバード婦人がスウェーデン婦人に差し込み錠の確認依頼(ラチェット生存)

午後10時30分、エドワードの同室イタリア人休む
(エドワード午前4時ころまで起きる)

午後10時55分、グレタ、ベッドに入る

午後11時00分、ドラゴミロフ侯爵夫人、ベッドに
同時刻  アンドレニイ伯爵夫婦就寝

(時間不明)ポアロ部屋に入る、30分ほど読書の後、就寝

午前0時?分ヴィングコヴツィー着
マッキーンとアーバスノット一時下車
汽車に戻る際鍵は掛けず
車内に戻る
アーバスノットはパイプ、マッキーンは巻タバコ吸う

午前0時10分 ヴィングコヴィツィー発

(ポアロ就寝中、悲鳴に近いうめき声とベル吹鳴)
午前0時30分、汽車停車

午前0時37分
車掌、ラチェットの部屋ノック
ドラゴミロフ公爵夫人のベル鳴る
午前0時40分、車掌がラチェットと会話

アーバスノット、通路から女性の匂いに気づく

ラチェットが歩き回る音
午前1時15分
金時計の停止時間、午前1時15分
ハッバード婦人、ベルを鳴らす
ハッバード婦人、部屋に男の人がいる
ドラゴミロフ侯爵夫人、ベルを鳴らし、マッサージ(30分ぐらい)
アーバスノット、マッキーンの部屋に二人で(~午前1時45分ころ)

午前1時45分、マッキーンのベッドメイク
マッキーンとアーバスノット同室
午前2時ころ、アーバスノット部屋に戻る

ポアロ寝る
ドアの音、通路に真っ赤な着物の婦人

午前9時00時過ぎ、ポアロ起床
午前10時15分前、ポアロ食堂車
雪で汽車、停車中
メアリーに焦り無し
ドラゴミロフ公爵夫人、ハンガリー公使夫婦、ラチェットと従僕、ドイツ人女中は姿無し

ポアロブックに呼ばれる
ラチェット死亡(死亡時刻午前1時ごろ)

午前11時ごろ、給士発見





登場人物

※事件が進めば進むほど、内容を書き加えていくので敢えて最後に持ってきました。

・ポアロ   名探偵
・ブック   国際寝台車会社重役、ローザンヌに行く予定
・メアリー・ハーミオン・デベナム嬢   イギリス人、家庭教師、先週木曜日バグダード出発
・アーバスノット  イギリス人、陸軍大佐  インド発
・ラチェット  アメリカ人、60代男
・ヘクター・マッキーン   アメリカ人、30歳前後、ラチェットの従者
・エドワード・ヘンリー・マスターマン  イギリス人、ラチェットの従僕
・A・M・ハリス  遅れてきた客
・ドラゴミロフ公爵夫人  ロシア人、独特の醜さ、大金持ち
・ヒルドガード・シュミット  侯爵夫人の小間使
・ハッバード  初老のアメリカ婦人、娘自慢
・グレタ・オルソン  羊顔の女、スウェーデン人
・アントニオ・フォスカレリ  イタリア人
・サイラス・ベスマン・ハードマン  大男のアメリカ人、16番
・コンスタンチン博士 医師
・ピエール・ミシェル 寝台車つき車掌
・アンドレニイ伯爵夫婦  ハンガリー外交官夫婦
・エレナ・マリア(エリナ・アンドレニイ)  上の妻、旧姓ゴールデンバーグ



蛇足
”謎の答え”については何一つ自分では答えに辿り着けませんでした・・・。



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