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本好きの下剋上を7巻まで読み終えた。(ベンノ評)

今回読み終えた7巻は最高だった。
終盤の展開は予想出来なかった。
かなり盛り上がった展開だった。

しかし、今回語りたいのはそこじゃない。

どうも、この物語は物作りパートとそれ以外パートの面白さの落差が激しいと思う。
だが、今回語りたいのはそこでもない。

語りたいのは、ベンノだ。

7巻を読み終えた時点で、人気投票が実施されたのを知り、第一回目の結果を覗くと、彼は第6位になっている人気キャラだ。
しかし、どうも私は彼の言動に釈然としないものを感じるのだ。

以前の記事でも、私はルッツとベンノに好感が持てないと書いているが、7巻になってもベンノに対する気持ちは払拭されていない。
ルッツに対してはある程度折り合いをつける事が出来たが、作中でレオンが
・ルッツは「マインが考えた物はオレが作る」って言っているんだぜ。おかしいだろ?
・商人見習いならば「オレが売る」と言うはずだ。
と素朴な思いを語っているのを読み、「そうだよな。ルッツは何処か立ち位置がずれてしまっているよな」「彼の口調がマインに対して偉そうに話さずに、もう少し優しく話せていたら印象が変わっていたのに」と思うのだが、ルッツはまだ良い。
自分の立ち位置(マインと出会えなければいち村人としてその人生を終えていただろう事)を正直に吐露したのだから。
ただ、それでもギルほど切羽詰まっておらず、正直「マインと出会わなければ自分の人生がやばかった。マイン様!」感はギルや他の側仕え程感じられず(マインもそんな感情を求めてないだろうけど…)、ルッツはマインの相棒と人物紹介がなされているが、マインの指示待ち人間臭があり、どうしても相棒としては頼りない気がするのである。
(「出来たぜ。次はどうするんだ。」は相棒としては弱い。対等でない人間が無理矢理背伸びして自分を大きく見せようとしている感じがする。ルッツはあくまでマインの心の拠り所ポジから抜けきれない感がある。)

おっと、ルッツの話をしたいのではなかった。

ベンノである。

ベンノはマインの知識を利用して事業を拡大しお金もうけを企んでいるが、この部分に関しては特に何も思わないが、マインの行動のフォローに関して少し恩着せがましすぎないか。

どういう行動がNGなのか、普通に教える事が出来ないのか。
何故何時も上から目線で注意するのだろう。
マインの知識を当てにせずに事業の拡大を図っているのなら何も言うまい。
あわよくばマインの知識の独占を狙っている人物がマインに対して横柄過ぎる。

また、自分からマインに関わると儲けになると判断して近寄りながら、「どいつもこいつも次々と仕事を持ち込みやがって!」とはちょっと虫が良すぎないか。
自分からマインの知識を独占しておきながら、それなら初めからマインの後見人の立場をギルド長に譲っていたら良かったのだ。

更にマインに対する感謝の気持ちが全く見えてこない。
マインの祝福を受けた人物たちは、大なり小なりマインに感謝をしている。
ルッツですら、物語序盤にマインに相当の感謝の意を表している。

それがどうだ。
ベンノはマインに対して基本「この阿呆」しか言っておらず、マインが頑張って商品を作りベンノに提供しても「儲けさせてくれてありがとう」との一言も言わない姿勢を見ると白けてしまうのである。
マインに対して感謝しないことでマウントを取り続けようとしているのではないかと勘ぐってしまう。

正直7巻中盤までは、ベンノのマインに対する姿勢が間違っていると如何に記事に書こうかと考えながら作品を読んでいたのだが、某ジル様が登場して流れが変わった。

今後ベンノはマインに対してあくまでマウントを取り続けて上手に商売を続けるのか、それとも舵取りを失敗して落ちぶれていくのか注目したいと思っているのであります。
(まあ、最後までマインの”味方”として上手く立ち回りそうなんですけどね。)


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