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青春を頑張ろう【響け! ユーフォニアム】


──努力した者に神様が微笑むなんて嘘だ。


思い返すと、私は人に誇れるような努力をした事なんてあったのだろうか。
高校生の頃は何もしていなかった。
何かに夢中になって打ち込むようなことはしなかったし、その方法も知らなかった。
部活動はしていた。
サッカー部だ。
だけど、万年補欠でベンチにすら入れなかった。

それを「悔しい」と思う感情から意図的に顔を背けていた。
何時の間にか3年間は終わっていた。

そんな私がこのアニメを見ている間「頑張っている姿はやっぱり格好良いな」と思っていた。

高校を卒業した私は「このままではいけない」と奮起して、受験勉強を頑張った。
運良く大学生になれた私は、とある体育会系のクラブに入り、これもまた頑張った。
翌日になってまたあの地獄のようなトレーニングが始まるのかと思うと恐怖でしかなく、翌日が来ない事を祈りながら体力の限界まで夜更かしをしていたのは良い思い出だ。

しかし、そこまで頑張っても特に誇れる結果を残せた訳でもなく、目に見える形としては何も残せなかった大学生活だったけれども、それでも今の私がいるのはあの時頑張ったからで、心の何処かに少しの自信が芽生えたのは確かだ。

このアニメの様に、吹奏楽部に青春を捧げ、それが故に思い悩み、涙を流すほど悔しさに苛まれて、それでもその歩みを止めず、楽器を演奏し続ける姿を見ると、貴重な青春の使い方だと羨ましくもあったけれども、高校卒業後に自分なりに挑戦した過去の私も案外有意義な青春の使い方をしていたのかなとも思ったりもする。

まあつまり、結局は「努力をする」何て事は、別に高校生の専売特許でも何でもなく、思い立った時から始めたら良いのだ。
”響け! ユーフォニアム”の主人公たちの頑張りが眩しく感じて、今の私でも同じように輝きたいと思ってしまったのは間違いない。

私よ。
だったら始めたら良いのだ。
輝けない理由なんて探す必要なんかない。

始めたら良いのだ。

たぶん、それだけで青春は動き出すはずだ。

そしてその時は、きっと運命の神様がこちらを向いてウインクをしてくれて、次の曲が始まるのである。






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