イールドカーブ・コントロールの目的、将来性

日銀が、2016年に、導入した「イールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)」。
これを導入した目的は、
現在の10年物の長期金利を0%程度に誘導するため。

 ・中央銀行の金融政策は短期金利の操作が中心。

長期金利は国債全体の市場で決まる。
各国でも長期金利については、特定の金利目標を持たない。
もちろん物価の安定化等を図るため、中央銀行としては、操作したい。
操作は難しいが、各国では、
量的緩和を通じた緩やかな介入が主流。

ただし、今回の日本の件でもはっきりしたが、市場の規模が大きいため中銀でも、誘導しきれず、
投資家の攻撃を招きやすいリスクを抱えている。

とくに厳しいのが、明らかに出口戦略をとりたいんだなあ、と投資家にバレてしまった場合。

大きな混乱がうまれる。

現在、日本では、中銀と市場が対立している。

まあ、そもそも、12月の日銀の会合前から、
世界的に金利が上昇すると、
日本の金利にも上昇圧力がかかっていた。
日本の10年物国債は売られたいたのだから。
その頃から、利回り曲線(イールドカーブ)のゆがみがはっきりでてきて、
日銀は買い支えて、国民を守ってくれていた、
そんなかんじがする。

日銀は、利上げをできるだけ抑えたいし、
そのため、イールドカーブ・コントロールの下での長期金利の許容変動幅の拡大し、従来の±0.25%から±0.5%にしたが、
1/18の会合では、もう一段引き上げを発表しなかった。

投資家が売りまくってきたので、
一旦、落ち着け!
というメッセージかもしれないが、、、

今回の、日銀の金利固定策は行き詰まり感がはんぱない。

長期金利の固定は、
今後10年間の経済・物価情勢を巡る見通しの変化がない、
ということを宣言するもの。

どのみち、長く続けるべきではないように思う。

オーストラリアはイールドカーブ・コントロールを廃止しているし、、、

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