コロナ、私の場合
7月はじめ、初めて新型コロナを発症した。
ワクチンを最後に打ったのは2年前の冬で、最近はほとんどマスクもしていなかったので、いつかかってもおかしくなかったのかもしれない。
以前、家族がコロナにかかった時、同居の私は感染しなかったので「自分はかからない体質」と油断していた。
現在、二週間経ってまだ、鼻詰まり、喉のイガイガ感、寝る前の咳などが少し残っているが、ようやく体調が普通に戻ってきた感じになった。
急性期から回復していく過程で、個人的に効果を感じた治療法もあったので、記録として残してみたい。
発症、高熱と激しい頭痛
発症したのは7月3日の明け方。これは明らかに普通の風邪とは違う、と感じた。
怠さを覚えて熱を測ると、37.8度。平熱が35度台の私には高熱だ。予兆としてはその2日前くらいから喉が酷く痛くなっていたが、熱はすぐ出なかった。
感染場所として思い当たるのは、4日前に参加した飲み会や3日前に参加したイベントなど。普段、リモートワークで人と会わない生活が続く中、久しぶりの社交場(?)に私は浮き足立っていた。せっかく楽しい夏が始まるところだったのに、また引きこもりの日々だ。
まず、私の場合、何より酷かったのは頭痛。右後頭部にズキン!ズキン!ズキキン!!と偏頭痛の100倍くらいの痛みが数秒ごとに走った。
これはコロナかもしれないと思って、午前中、家族に抗原検査薬(唾液で検査)を薬局で買ってきてもらう。しかし、当日の午前11時の時点で、結果は陰性だった。
自宅にあったアセトアミノフェン配合の市販薬(ラックル)をとりあえず飲み、頭の痛みは少し軽くなった。その後、発熱外来を受け付けている地元の内科に電話をして、早速診てもらい、再検査(鼻を綿棒でこするもの)すると陽性が出てコロナが確定。先生曰く、自宅で検査するのがちょっと早かったのかも?ということらしい。1時間くらいしか変わらなかったけどクリニックの検査では反応した。(後から知ったが、発症後、12時間未満だと検査の感度が低いらしい)
出してもらった痛み止め(カロナール)と炎症をおさえる薬などでその日は何とかしのぎ、翌々日には高熱も下がった。
しかし、その間も、痛み止めが切れる数時間前から恐ろしい頭痛に襲われた。右後頭部に鋭い痛みが走るたび眉間に皺がより、夜もベッドに寝られないほど。痛み止め薬は6時間おきにしか飲めなかったので、本当に辛かった。痛みに襲われている私の姿を見ている夫も怖がっていた。「本当にコロナの痛みなのかな。もっと大変なことが起きてるんじゃ…」と、そんな不安も出てくるほどだった。
3日目、脳梗塞の疑い?
発症3日目、カロナールがなくなったので、再び、発熱外来のクリニックへ電話し、夫が代わりに薬をもらってくることに。しかし、追加でもらって来たカロナールを飲んでも頭痛に効かなくなっていてパニックになる。
その症状を改めてクリニックへ電話で相談したところ、本人がすぐ受診するように、とのこと。あまりひどい場合は脳梗塞の疑いも出てくるらしい。恐ろしかった。
結果として、脳梗塞のような症状はなく(腕を上げたり下ろしたり、目の動きを見てもらったりした)、強めの痛み止め(ロキソプロフェン)を出してもらった。「もし、頭痛が悪化して、手足の震えや吐き気が出たらすぐ救急車を呼ぶように」と先生。覚悟するしかなかった。
しかし、そのロキソプロフェンを飲んだらすぐ頭の痛みは消え、意外とすぐに症状がおさまっていった。翌日以降、頭痛の頻度も減り、薬を飲まなくても痛みが出ないまでになっていった。ようやく安心した。頭痛のない世界って素晴らしい!
7日目、ひどい鼻水で喉が詰まる
発症7日目。微熱も頭痛も消え、これでほぼ治った、と思っていたが、今度はひどい鼻詰まりと鼻水に悩まされることになった。大量に粘度のある鼻水が喉を流れる「後鼻漏」という症状のせいで、夜寝る時に息が詰まりそうになった。これはこれで地味に苦しいし気持ちが悪い。頭が重たく、耳の詰まった感じも出て、疲労感がすごかった。
処方薬が切れたこともあり、再び内科のクリニックに行ったところ、「ある程度の症状は(すぐ治らなくても)仕方がないんです」と先生に言われた。出してもらった痰切りや咳止めの薬を飲んでしのぐしかない。しかし、後鼻漏の症状はまだまだ長引きそうに感じた。声もひどい鼻声で、外にでて普通に話せる状態ではなかった。
9日目、謎の治療を求めて耳鼻咽喉科へ
発症9日目。ネットで調べた情報から「Bスポット治療」なるものがコロナ後遺症などの上咽頭炎、後鼻漏に効く(場合がある)、と知った。これを受けられるのは耳鼻咽喉科。鼻と喉の境目にある上咽頭に直接、長い綿棒のようなもので薬(塩化亜鉛)を塗りつけるという原始的な治療だ。
効果は科学的に証明されていないものの、自律神経系の不調にも改善が期待できるともいう。
とりあえず、藁をも縋る思いで予約した2駅先の耳鼻科に行ってみた。その先生が詳しく説明してくれたが、薬の効果というよりは綿棒で上咽頭をこする刺激自体が症状改善につながっているようだ、との話で「へえ〜」と驚く。
まずはマイクロスコープで鼻奥から喉の方まで診てもらうと、「治りつつあるけど、やはり腫れていますね」とのこと。その後、長い綿棒を鼻の片穴ずつ2本、奥まで入れて少し時間を置き、その後、グリグリグリとこすられた。痛みはそこまでではないが、鼻に長い棒が突っ込まれている事態には結構恐怖があって、ゾワゾワとした。治療は1分もかからないほど。左側の鼻穴から抜いた綿棒の先が少し血に染まっていた。血が出るのは炎症がある証だそうだ。こすられた箇所が少しジンジンした。人によっては処置後に鼻水が多く出たりすることがあるという。
薬は内科でもらっているのを伝えたので耳鼻科では特に出なかった。クリニックを後にして、鼻をかんだら少し出血もあったが、特に鼻水が悪化することはなかった。というか、帰宅後、後鼻漏の症状が薄れていることに気づいた。その晩は呼吸も楽にできて、久しぶりによく寝られた。Bスポット治療、私には大正解だったらしい。
13日目、順調に回復
今日で発症13日目。耳鼻科の治療後、完治したわけではないが、だいぶ鼻の調子が良くなった。まだ全身からのやる気のようなものが完全には戻っていない気がするが(コロナのせいかは不明)、しんどいだるさや疲労感は無くなった。Bスポット治療の効果は約一週間ほどとのことなので、また2回目の治療を数日後に受ける予定だ。
長々書いてしまったが、コロナ感染で上咽頭炎や後鼻漏の症状が残ったら、耳鼻科での治療が有効な場合がある、という実体験だった。
回復の上では、何より、急性期に内科の発熱外来ですぐ診てもらえたことがとても助かった。小さな地元のクリニックだが、暑い中でも入り口に仮囲いをして発熱の患者を診察してくれている。脳梗塞疑いの時などは先生も「いつでもいいのですぐ来てください!」と緊急で対応してくださった。辛かったので記憶が曖昧だが、症状が変わる中、その都度、診てもらえたことをとても感謝している。
以上、個々人で症状やその発症の程度が異なるのがコロナの厄介なところなので(うちの家族がコロナにかかった時、誰も私のような症状は出ていない)、自己判断せず、発症の疑いがあればまずは発熱外来等の医療機関を受診されてください。
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