17歳になっても生理がこない。完
大抵の女性の場合、初潮というのは小学生の頃であるが故、鮮明にその日を覚えている人は少ないだろう。
でも私は違う。
17歳を過ぎてやっと「その日」がきたからだ。
高校に入ると生理がこない悩みなどすっかり忘れていた。
義務教育も終了し、先生との関わりもそこまでない高校生活は気が楽だった。中学の時のように地獄のような部活動もない。それまでは一切興味のなかった化粧品にも手を出すようになり、彼氏ができ携帯電話を握りしめて眠る日々だった。
なんの前触れもなくアレは突然やってきた
人々は、阪神の優勝よりずっと前から生理をアレと呼んでいる。
高校2年生の秋。友だちとコンビニでアイスクリームを食べている時である。
パンツの中が濡れている気がするのだ。
「えぇ?!漏らした?!漏らしてないよね・・?!なんだ!?」
ゆっくり立ち上がり、トイレに移動すると、そうアレである。
まぎれもない。夢にまで見たアレだ。これがアレなのか。
すごい、本当にきた。アレだ!わぁぁぁぁ!
と、興奮したのも束の間。ナプキンを持ち歩く習慣などない私はティッシュペーパーを挟み急いで帰路に着いた。
やっと、みんなの仲間入りだ。本当だ。個人差はあるんだ。
よかった。本当によかった…。
私は憧れのナプキン袋をやっとカバンにしまった。
この話には少しだけ続きがある。
人生2度目の生理はそこからさらに2年後である。
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