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F100との出会いと失敗

購入

EOS KISSを丁寧に使っていくつもりだったがやはり欲が出てくる。当時の最新鋭機を格安で手に入れられる今の時代に低スペック機だけを所有していては得られることも得られない。
いつしか私の検索履歴には[フィルムカメラ 名機]だの[フィルムカメラ フラグシップ]だのといかにもミーハーな趣味の悪い言葉が羅列していた。そんな中出会ったのが名義と名高いNikon F100である。某フリマアプリで約20,000円だった。

タイム風呂敷とF100

なるほどマグネシウムボディというのはいかにも堅牢な肌触りで、振り回せば恐るべき凶器にもなりうる。ファインダーを除くといつもの景色が切り取られ、シャッターを切れとF100が語りかけてくるような気がする。質実剛健とはまさにこのカメラのことのように思えた。

スナップ写真

その次の週末、私はF100を片手に大都会新宿へと繰り出した。カメラショップを覗きたいと友人を誘ったが本音はF100を片手に街を歩く、つまりスナップ写真を撮るのが目的だった。
F100のシャッター音はEOSとは比較にならないほど重く重厚だ。瞬時に反応するAFに広い視野。明らかに高級機といった質感。撮る写真全てが現像後に素晴らしい作品となって手元に返ってくる気がした。
それからはどこへ行くにもF100を連れて行った、裸で持ち歩くのもどうかと思いカメラバッグも購入した。とにかく私はF100に心酔していた…

そして現像したデータが返ってきた。

愛猫(見えない)
美術館
新宿の空
これは気に入っているミスショット
これも案外写りが良い
美術館
多分美術館


送って頂いたデータを見た時思わず声が出た。ものの見事に失敗である。最初は機材の問題かと思ったが調べてみて気づいた、これは私のミスだということに。

[カメラ側のISO感度設定ミス]

フィルムを入れることで勝手にISO感度を認識する、もちろんF100にもこの機能はついている。しかし手元に来た時点でその設定がISO6400に固定されていたのだ。アホな私は一度も確認せず使い続けていたのだ、ちゃんと写っているはずもないのに。
一方で使用していたフィルムはISO400、逆によく写ったものである。F100とフィルムの品質に救われた。問題は解決したが、すでにF100には新たなフィルムを装填して使用していた。残り10枚、フィルムのISO感度は200である。OMG。

今回得た教訓

今回スナップ写真だったから良かったものの、これが旅行時の失敗だったら立ち直るのは無理だったと思う。取扱説明書を確認したらちゃんとフィルム装填時にISO感度の確認が手順に含まれていた。

圧倒的確認不足、それが今回の敗因である。一方で写真に対する興味関心は薄れはしなかった。失敗は時に沼への一歩に繋がるのを私は理解していなかった。

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