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ブラックとゆるブラックと

以前からブラック企業ってワードはよくクローズアップされているが、最近ゆるブラック企業ってのもクローズアップされている。

自分は前職はゴリゴリの超ブラック企業だったが、現職はごりごりの超ゆるブラック企業にいる。

前職時は、普通に深夜の1時にミーティングを設定されたり、会議中にゴミ箱やペットボトルが空中に飛び交うのは日常の風景だった。

ただそんな会社に15年も勤めていると感覚がおかしくなってしまうのである。

目標を達成できなかった社員が社長の命令で頭を坊主にしてきたり、会議の場で土下座を強要されたり、そんな光景も日常の光景としてなんとも思わなくなってくる。

ゴリゴリのブラック企業では、まともな思考が働く人間は残らない。

普通の人は辞めるのである。

そしてその環境に慣れている人間は、新たに優秀な社員が入社しても、その人が1年もしないうちに辞めるのを知っているのである。

そうやって本来なら自分のライバルになるであろう人間が去っていき、ひどい環境ではあるが、自分の社員としての地位と並の給与が保証されている事に満足を得ていく。

まさに自分がそうだった

でもそんな環境で働くには体力が必要で、40歳の時にこれはもう無理だなと思って辞めた。

毎日のように深夜の2時、3時に帰ってきて、家の前のコンビニで簡単な夜食を買い、翌朝また朝ごはんを同じコンビニで買うとき、まだ夜勤の定員さんが対応していて、そんな働き方していたら死んじゃいますよってコンビニの定員さんに心配された。

そして現在は転職してみごとなゆるブラック沼にはまってしまった。

前職はネット広告をメインとするベンチャーだったが、現在は小規模のメーカー

前職は平均残業時間は160時間くらい、現職は5時間くらい

現職は月の半分以上は午前中でやることがなくなってしまうのである。

テレワークしようものなら有給の日と何も変わらない過ごし方になる。

あまりの業務の少なさに、とりあえず家の近くではあるが外出してカフェとかでまったり過ごし、業務の連絡が入り必要であれば自宅に戻って作業するくらい。

こんな日々が続くのならゆるブラックは素晴らしい環境である。

でも自分だけでなく、ほかの人も大体こんな生活送っている会社なだ。

あまりにやることがないので部門のリーダーになにか新たに取り組まないかと提案したら、そしたら目標の難易度が上がって昇給も難しくなっちゃうよって断られた。

でもぜったいやることないだろう?なにしてんの?って聞いたら

毎日ゲームやってるとのことだった・・・

こんな人たちがたくさんいるので、毎年赤字なのである。もう金融機関から借入のできない会社なのである。

先日出した決算発表では、売上二十数億で、営業損失が十数億って、とんでもない決算だった。

きっとこの先長くない会社ではあるが、そうなると問題がある。

この会社に入社して6年

スキルが向上するどころかこんな環境なので明らかに退化している

この状態で放り出されたら間違いなく社会復帰できないのである。

しかも50歳手前でゆるゆる環境で放り出されるって恐怖でしかない。

ゴリゴリのブラック企業は精神をすり減らし、体力も奪われるが、普通に社会人やってたら身につかないであろうスキルだけはゴリゴリに身につけることはできる。

でもゆるブラックは、精神も体力も擦り減らず、むしろ充実した日々を送ることはできるが、なんのスキルも身につかず、それどころかモチベーションもだだ下がりになるので社会復帰が結構難しくなる。

自分はたまたま前職のつながりで副業の話しがあったからモチベーションを回復することができ、転職する意欲がわいたが

これモチベーションが副業する前の状態だったら、きっとこの会社が潰れるまで毎日をやり過ごしただろう。

ゴリゴリのブラックもゆるブラックもどっちも体験した身としては、どっちも結構恐ろしいが

ゴリゴリのブラックは物理的に危機感を感じるが、ゆるブラックは己との闘いみたいな部分があるので、気づかないとゆでガエルみたいな状態になり取り返しがつかなくなり、気づいたときには何も残らないという怖さを感じた。


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