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新教科『情報』

 令和7年から大学入試の科目に情報が加わるということはご存知だろうか。

 理科の教科の内容の変遷や数学の内容の変遷は今までも何度かあったが大学入試に新教科が加わることは、平成から始まったこの教育史上の中ではなかったことだ。

 令和7年を考えるとなると、現在の高校1年生の大学入試にて、情報が加わった状態での入試となる。

 私自身、情報科目が高校において必修科目になることは賛成ではあるが、正直今の日本の状況を考えると反対だ。

 今の世の中、たとえば君がゲームアプリをしてる時だろうと、youtubeを見ている時もあなたの情報が流れている状態にある。この情報は、単にあなたの住所や名前などのデータだけに留まらない。あなたの思考パターン、行動パターン、好みや性格まであなたという人間のデータ全てが流れているのだ。

 実際、あなたがyoutubeを見ている時あなた自身が見たいと思う動画が流れるはずだ。だから、同じyoutubeでもあなたとあなたの友人や家族によって流れる動画が異なるのだ。これは、普段あなたがどんな動画を見ていてどんな動画を望むのかをAIによって分析されていることによって実現できているものだ。

 この状況を見る限りでは、とても便利な社会になったことを実感できるだろう。しかし、これはとても危ない状況にあるのだ。おまけに、その危険度に気づいてない人間がほとんど。これは、黒船を見て、刀一本でどうにかなることを信じて疑わずに鎖国を押し切ろうとしていた幕末の時代と全く同じ状況にある。

 現代、情報は核ミサイルに勝る武器だ。たとえば、世界最悪の兵器といわれるツァーリボンバやポセイドンなどの武器があってもセキュリティをジャックしてしまえばそこの国で自爆させることだって可能だ。
 
 そして、現在我が国はこの情報についてはとてもじゃないが弱い。リテラシー・スペックあらゆる面で劣っている。ぶっちゃけ、クソだ。あなたたちは例えば、テレビで流れている内容は正しいと疑わないがネットニュースやTwitterは半信半疑という考えを持っているのではないだろうか。では、聞こう。そう答える根拠はなんだ。何故テレビが正しい。何故、ネットニュースは半信半疑なのか。何故、本に書かれていることが全て正しいのか。何故、論文に書かれていることが全て正しいのか。それを聞かれた時全ての人を納得できる答えを出せるか。
 
 そう。テレビはぶっちゃけ、利権が絡みに絡みまくっている。実際に今日に至るまでジャニーズ事務所のセクハラ事件について深く掘り下げてない。そんな情報にムラがあるマスメディアをどうして100%信用することができるのだろうか。一方でネットニュースにおいて例えば、Yahoo!ニュースというものがあるが、これはYahooという検索エンジンを持つ大企業が担っている事業だ。他にもgoogleでもネットニュースはある。どうして、いつも『google先生』とか言いながら調べてるくせに半信半疑になるのか。

 そう、情報においてそんな無様な状態になっているのだ。だから、情報を現在必修として学ぶことは急務であると私も考える。しかし、一方でそんな情報リテラシーもないスペックも低い。ロジックも成り立ってない大人が多く存在している。また、そもそも情報を教育事業として行う人間に果たして子どものそういったところを伸ばそうと考える崇高な人間が何人いるだろうか。

 現在、情報の世界はまさに地獄絵図だ。10億円かけたアプリが一瞬にして0になってしまうという悲惨な状態が当たり前のように存在している。そして、エンジニアたちも今はもう専門学校や大学に行かずともyoutubeを見れば基礎を学ぶことができる時代だ。それだけ、成り手が多い状態であれば当然血みどろの戦いが行われている。さらに、彼らは成功すればそれこそ年間10億や20億軽く稼いでる人もいる。しかし、一方で先述したように10億借金のパターンもある。だから、正直教育の世界で生徒さえも食い物にしてやろうとする者が虫のように湧き出てくるのが目に見えているのだ。

 実際、tiktokで新科目情報について語り、自分の講義を受けさせようとしている者が多数出現している。
 そう。高校生たちは虫のように湧き出ている中から正しい情報を見極めないとダメなのだ。つまり、情報初心者なのに中級者レベルの技術を求められている状態なのだ。

 だから、高校生諸君。あなたたちはまず全ての情報においてまず疑うということを覚えろ。そこにある全ての情報が本当に正しいのかどうか疑え。小さなことで言えば、本当に公務員が安泰なのか。本当に大学に行くことが全てなのか。浪人や留年は本当に無駄なのだろうか。全てを疑ってかかり、しっかり分析する力をつけるのだ。

 そして、情報という新しい科目が追加されたとてあなたがやるべきことはただ一つなのだ。それは、情報の科目の教科書をしっかり理解することだ。それ以外にない。つまり、塾などで補填する必要はあってもプラスアルファのことをする必要がない。
 
 実際、今までの5教科でも同じことが言えるのではないか。確かに去年の東大の物理で全てを織り交ぜたような問題が出題されていた。しかし、この問題の本質は全ては力学に通じ、力学によって繋がりがあるということだ。また、生物では2006年の東大の問題で『種の概念について述べたまえ』という問題が出題されたがこれも教科書の内容をしっかり理解すれば解けない問題ではないのだ。
 
 それを念頭に置いた上で情報という科目について語る人間の取捨選択をしてほしい。

 これからの時代はわかりやすく言えば戦争だ。生きたければ戦うかさっさと戦いのない田舎に行くか死ぬかの三択しかない。

 


 

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