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決算のお勉強中① 営業利益って何?(愚痴日記#21) 

「GWが終わったら、決算発表が本格化する。覚悟しておけ!」って、
先輩キャスターMに脅かされていたけど、ホントにそうなった。

 毎日、たくさんの企業が決算発表をしてくる。スタッフルームには、決算発表の資料が山積みになってる、吐きそうなほど・・・。
 「目を通しておけ・・・」とMはいうけど、決算といえば「決算セール」しか思い浮かばない私。分かるはずないよ。

 途方に暮れていたら、プロデューサーSがやってきた。

「決算が分かりません!大嫌い!って感じです。」」
「そう言わないで・・・。決算書って複雑怪奇で、私も、Mだって全部を理解しているわけじゃない。でも、我々はアナリストでもプロの投資家でもないから、全てを理解する必要なんてないんだ。決算書には押さえるべきポイントがある。それさえ分かっていれば十分なんだよ。」
「押さえるべきポイントですか?」
「決算書っていうけど、要するに『家計簿』なんだ。君もつけてるだろ、家計簿。」
「スマホのアプリで、一応やっています。」
「企業では様々な取引が行われているから、規模も大きくなるし、複雑にもなるけど、基本は一緒なんだ。君は家計簿アプリの、どの項目に注意しているかな?」
「収入と支出を見てます、収支が赤字か黒字かって。」

 仕送りとアルバイトだけだった学生時代より、収入は大幅に増えた。でも、ストレス解消ってことで、洋服をたくさん買ったり、美味しいもの食べまくったりしたから、支出が急増して先月は赤字になっちゃった。(汗)

「企業も同じだ。売上などの収入がいくらあり、それを得るためにいくら支出したのか・・・。その差額、つまり収支がどう変化しているかは、経営状況を示す最重要データとなる。そこで決算短信、決算を要約したものだけど、その最初にそれが記載されているんだ。」

「任天堂の決算短信を見てみよう。」
 Sはこう言うと、発表されたばかりの任天堂の決算発表を引っ張り出してきた。

 「最初に出てくるのが『連結経営成績』という表だ。項目は4つ、『売上高』、『営業利益』、『経常利益』、『当期純利益』だ。 名前が示すとおり、企業の経営成績をまとめたものなんだ。」

「まずは『売上高』、1兆6016億円で前年比-5.5%となってる。君の家計簿で言えば、会社からの給料が減ってしまったということになる。」
「売上が減ることを『減収』、増加すれば『増収』と呼ぶ。任天堂の場合、ゲーム機などの販売が伸び悩んだことから、減収になってしまったんだ。」

 ゲーム好きの友達がいってた、ニンテンドースイッチ、だんだん飽きが出てきているって。これが一因かもね・・・。

「次に『営業利益』だ。これは支出、生産するための費用である材料費とか人件費とかを差し引いて残った利益のことだ。」

「家計簿で言えば、給料から食費や住居費、光熱費などの生活費を差し引いたもの。私が毎月気にしているのが、この営業利益ということですね」。
「そうだ。任天堂の営業利益は-14.9%の5043億円だった。給料が減ったんだから、本当は節約しなくちゃいけなかったんだけど、上手くゆかずに利益が減ってしまったんだ。」
「利益が減ることを『減益』、増えるのが『増益』だ。任天堂の場合、売上も利益も減っているから『減収減益』となる。」
「一方で、『減収増益』となることもある。売上が減ったけど、それ以上に節約することで、結果的に利益を増やすことができたんだ。『増収減益』は、給料が増えた!と調子に乗って、財布の紐を緩めすぎたケース。『増収増益』は、給料が増えた上に、しっかりと支出もコントロールできたので、黒字が増えたということかな。」
「任天堂の場合、減収減益だけど、かなりの額の黒字を維持している。ちょっと経営成績が落ち込んでいるけど、基本的には好調を維持できているという感じかな。」

 私の場合は「増収減益」で、挙げ句の果てに赤字になっているわけね。
  財布の紐がユルユルということか・・・ヤバいなあ。

「次の項目に『経常利益』というのがあるけど、そろそろ限界だろう。今日はここまでにしておこうか。」

 よかった。頭がパンク寸前だったから。
  でも、次は経常利益を勉強するのね。
  長い道のりだなあ・・・。


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