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緊急輸血したんだってさ ①      (愚痴日記 第6日)    

疲れた。
何も分からないままに、オンエアが終わった。

今回のテーマは、「金融危機は回避できるのか?」。
私がまずニュース原稿を読み、それについて
参加者たちがいろいろしゃべってた。

私の読んだ原稿には、
「アメリカで、シリコンバレー銀行という銀行が潰れた。」
「その後、スイスでもクレディスイスという銀行が、経営危機に陥った。」
これを受けて、
「FRBをはじめとした世界6カ国の中央銀行が、危機を回避するために大量のドル資金を市場に投入した」
などと書いてあった。

銀行がピンチに陥ったことはわかった。
クレディスイスっていう名前も知ってたよ。
大学の同級生が就職したからね。
すごい競争率だったらしいけど、採用されて自慢げだった。
めちゃくちゃ給料が高いらしい。

最近、こうした外資系金融機関勤務の男性が、
女子アナとか女優さんとかと結婚することが増えてる。
きっと、すごいエリートで、英語ベラベラで、お金持ちなんだろうな。
合コンをセッティングしてもらおうと思っていたのに、潰れそうになっているの?。
給料高すぎたからじゃない?
ざまみろ・・・と、ちょっとだけ思った。

で、原稿を読み進めると、UBSという同じスイスの銀行が、
救済してあげたみたい。
スイス政府も税金を使って支援したという。
 アメリカのシリコンバレー銀行の場合も、潰れたけど預金は特例措置として、政府が全額保護したという。通常は一部しか戻ってこないはずなのに。
さらに、6カ国もの中央銀行が資金注入するのも変だ。
 潰れた銀行は、民間企業だよね。政府や中央銀行が、税金で支援するなんて、間違ってない?

ところが番組では、先輩キャスターMのが、
「迅速な対応で、危機が回避された」と評価。
出演していたエコノミストも、
「リーマンショックの教訓が生きた。」
なんて話していた。

なんで?
これって、モラルハザードだよね。
高い給料で贅沢していて、
経営がおかしくなったら、政府が助けてくれる。
こんなやりたい放題を認めちゃダメ。
メディアとしては、批判するべきじゃないの?

「潰れそうな銀行が、なんで救われたんですか?」
納得できなかったから、
オンエア後、スタジオの裏でプロデューサーのSに聞いてみた。
Mに質問すると、馬鹿だと言われるだけだけど、
Sなら少しはやさしく教えてくれそうに思ったからだ。

するとSは、にっこり笑って、
「いい質問ですね!」といった。
 池上彰かって、心の中でちょっとツッコんだ。

「簡単に言うと、政府と中央銀行は『緊急輸血』をしたんだよ。」という。

 「ちゃんと説明した方がいいかな・・。スタッフルームで話そう。」

 しまった。
 自分で長引かせてしまった。
 早く帰りたかったのに・・。
 今日の私、どうかしている。
 
 でも、「緊急輸血」って、どういうこと?
 気になることも確かだった。


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