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決算のお勉強中 ② 今日は経常利益と純利益を教わった (愚痴日記#22)

 決算といえば決算セールしか知らない私が、
プロデューサーSから特訓を受けてる。
 昨日は決算の中の「売上高」と「営業利益」を教わった。今日は次の項目、まずは「経常利益」から教わった。
 デスクの上には、昨日も使った任天堂の決算短信が乗ってる。

「さあ、昨日の続きね。君は副業してるよね?」

 いきなり何?
 会社に内緒でアルバイトやってること、バレちゃった?

「そんなに動揺しなくていいよ。君の先輩たちもみんなやってる、キャスターMもね。彼は定期的に講演会をやってお金もらってる。」
「それでだ。経常利益というのは、副業を含めた収支なんだ。企業は本業、任天堂ならゲームの生産と販売、日本航空なら人や貨物の運送業といった具合に、それぞれ中核となる事業がある。それと同時に、株式投資をしたり、不動産事業をしたり、他企業に融資したりと、多種多様なことをしている。また、輸出企業だと、為替相場の変動で利益が出たり、損失が出たりする。本業の利益には反映されない、副業の収支を加えたのが経常利益になるんだ。」
「任天堂の経常利益は10.4%減って6010億円となったね。営業利益は14.9%の減少幅だったから、副業で頑張った結果、減少幅を幾分小さくすることができたというわけだ。」

「つまり、会社からの給料を補う、アルバイト的な事を含めたものが経常利益となるわけですね。」

「そうだ。でも、副業が足を引っ張ることだってある。株式投資で損失を出したり、本業とは無関係の、慣れない事業に手を出したりして、大失敗することもあるからね。でも、副業はあくまで副業だから、止めようとすれば止められるものが多い。株式投資で失敗したら、撤退すればいいだけだからね。」
「でも、本業には止めるという選択肢はない、何が何でも利益を上げないといけない。したがって、大事なのは本業の成績、つまり営業利益で、ここで利益が上げられていれば、まずは安泰なんだ。仮に副業で失敗しても、挽回する余地があるからね。」
「ところが、本業の不振を放っておいて、株式投資や不動産取引などの副業で稼ごうとしいる企業もある。この場合、営業利益が赤字だけど、経常利益が黒字になっている。でも、これは本末転倒だよね。」

「会社の給料だけじゃ足りないので、ちょっとヤバい副業に手を出しているということですね。」

 今月赤字になったから、ちょっとアルバイトを増やそうと思っていた私。 
 よくないよね、こんなこと・・・。

「さて、最後の『当期純利益』にゆく前に、ここには記載されていないけど、『特別利益』というものがある。宝くじに当たったことはあるかな?」
「一度だけ、10万円をゲットしました。」
「そうしたものが特別利益に計上されるんだ。特別利益はまさに特別、一時的なもの。大きな地震で工場が被害を受けたら、その損失は特別損失として計上される。自社工場の土地を売却して得られたお金は、特別利益として計上されるんだ。」
 
「ちょっと分からなくなってきました。さっき、経常利益に不動産事業とか」が計上されるっていう話でしたよね。」

「どこに計上されるかは、事業の種類じゃないんだ。違いは『継続的』か『一時的』かの違い。これは英語の方か分かりやすい。」

え、英語になるの・・・。苦手なのに・・・。

「経常利益は英語で”ordinary profit”、日常という意味だ。一方、特別利益は”extraordinary profit”、非日常ということだね。」

このくらいの英語なら、わかる。

「定期的に講演会しているMの収入は経常利益だ。でも、君が結婚式の司会のアルバイトした場合、基本的には単発だから、特別利益になる。」

何で知ってるの?私がアルバイトしてたこと。
ちょっとお金使いすぎたから、こっそりやったのに・・・。
 
「でも、境界線は微妙じゃないですか、継続的か一時的かという。」

『その通りだ。どちらの利益に計上するかはで、判断が分かれることもある。例えばコロナで給付金とか助成金が支払われたよね。これをどこに計上するのか?継続すると考えた企業は営業利益に、一時的だと考えた企業は特別利益に計上しているんだ。」

「さあ、ちょっと細かいところに入りすぎた。で、いよいよ『当期純利益』だ。これは営業利益から経常利益、そして特別利益までの全ての収入と支出を合算し、税金を納めた後の、その期間の利益だね。だから、『最終利益』と呼ばれることもある。黒字なら『当期純利益』となるけど、赤字なら『当期純損失』となる。純利益は一生懸命働いた結果、最後に残ったお金で、好きなように使うことできるんだ。一方で、純損失になったら、預金を崩すとか、借金をするとかして、穴埋めを刷る必要がでてくるんだね。で、任天堂の場合には、前年比-9.4%の4327億円だったんだ。」

ようやくたどり着いたよ、最終項目に・・・。

「利益が減ったとは言え、結構稼いでますよね、4000億円以上利益があるわけだから。」
「そうだね、でも、売上が伸び悩んでいるのは心配だ。減収幅が前の2022年3月期の3.6%より大きくなっているしねえ・・・といった具合に、決算を読み解いていくんだ。」

ああ。疲れた。
もう、限界。

「さあ、今日はここまでにしておこう。」

えっ?まだ先があるの?これで終わりじゃないの?

「次は『貸借対照表』だね。」

ああああああ。



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