【囁き×吸血鬼(女)】運命…決断の時は甘く切なく…5
【囁き×女吸血鬼】
運命…決断の時は甘く切なく…
︎︎〇リビング(夜)
【SE:二人の足音】
(コンビニの袋をテーブルに置く)
深夜の散歩って楽しいねぇ。
お月様も綺麗で久しぶりに気持ちよかった。
コンビニで買ってきたビール飲もうよ!
(ソファに座ってる缶ビールをあける)
【SE:缶をあける】
ぶはぁ、なんでビールってこんなに美味しいのかしら?
人間って美味しいものを作る天才。
【SE:リップ音】
(急にキスされて驚く)
えっ?き、急になにするの?
口元に泡?ならそう言ってよ。
いつも急にするんだから…
まったくなんでこんな人間に捕まっちゃったのかしら?
まぁ確かに寝るところにも食餌(しょくじ)にも困らないからいいちゃあいいんだけど…
そうやってまたニコニコして抱きつく…
あつっくるしいんだってば!
(引き離そうとするが離れてくれない彼)
(妖しく囁く)ねぇ~
そんな事してると血、吸っちゃうよ。
(首に傾ける彼)
だーかーら、なんでいつもそうやって首を差し出すのよ…
もういい、ビール飲む。
ほら君も飲んで…
(少し間をおいて)
(吸血シーンからスタート)
はぁ…美味しい…
やぁだ、もっと…ちょーだい…
(吸血シーン終了)
(事後ピロートーク)
…相変わらずチャームは一切かからないね君…
別に試してなんかないよ…
ただ不思議だなぁって思ってるだけ
私がヴァンパイアって知っても追いかけてくるし…
黒猫になっても普通に可愛がってくれるしさ。
(笑)それは知ってる。
私の事大好きなんでしょ?
えっ違うの?
もしかして嫌い…になっ…た…
(焦ってベッドからガバッと起き上がる)
…な、なら私ここにいられない。出ていかなくちゃ…
(抱きしめられる)
なにすんの?
だって今、好きじゃないって言ったでしょ?
やだ…何笑ってるのよ。
笑い事じゃないんだから…
これからどうしよ…
ばか…もう離して…
……??今なんて言った?
あ、愛してる…?
じゃあなんで「好きじゃない」なんて言うのよ…
もう…知らない!
それは…いつも言ってるけど…
人間とヴァンパイアじゃ生きてる世界が違い過ぎるの…
人間はさ…長い生きてもせいぜい80年くらいでしょ?
ヴァンパイアはその何倍も生きるの。
君だって私の本当の年齢知ったら引くよ?
ぜーったいに引く…
引かない?もしも引いたらまた血吸うからね?
(モジモジしながら小さい声で)299歳…
だから…(少し大きな声で)299歳…
もうー!299ってさっきから言ってるでしょ!
ちゃんと聞けよ!
あっ…ごめん思わず大きな声出た…
君はさ、私の10分の1も生きてないんだよね?
私は今でもたくさん色んな人間と出会っては別れてきたんだ。
どんなに好きになっても…みんな私をおいて行っちゃう。
その度に心が引き裂かれる思いで乗り越えてきた…
それで思ったの…
どんなにいい人でも、どんなに好みの美味しい血を持っていたとしても…
所詮、人間なんだなって…
仲間はさ…そんなに好きなら眷属にしちゃえばいいって言うけどさ…
それって私は違うと思ってて…
無理やりヴァンパイアにしても、きっとその人間も辛いと思うんだよね。
なんでって…だって知ってる人がみんな先に死ぬんだよ?
世の中もどんどん変わって行くのに自分の姿は変わらないんだよ?
私は生まれた時からヴァンパイアだけど、それでもこんなに辛いのに…
好きな人にそんな思いさせたくない。
だから私は人間を好きにならない。
こんな思いするのは私だけでいい。
(少しずつ涙声に変化していく)
だから…
だからさ…
君だって…いつか…
置いていっちゃうんだ…私の事…
きっと…きっと…いなくなっちゃう…
(最後は泣き出してしまう)
(優しく抱きしめられる)
もう、優しくしないで…
これ以上…一緒にいたら…
ごめん…こんなに大切にしてくれてるのに…
愛してるって言ってくれたのに…
私…言えない…
優しく抱かないで…
撫でないでよ…
辛くなるでしょ…
…やだよ。
君が先に逝っちゃうなんて…
私を置いてっちゃう未来なんていや…
(眷属にすればいいよ。そしたら一緒にずーっといられるんでしょ?)
それは…でもそうしたら君は人間としての生活を捨てる事になるんだよ?
(うん…だって愛してるんだ君のこと…)
それでも一緒に居たいって思ってくれるの?
愛してるってずっと言ってくれるの?
私も…本当は…ずっと一緒に居たい…
このまま契約を結ぼ。
そしたら眷属になってずーっと離れないでいられるから…
(優しい吸血音でフェードアウトして下さい)
(ここから少し時間経過しますのでBGMでそれを表現してもらうといいと思います)
(結構強気でOKです)
もう、最近帰りが遅い!
私、お腹空かせて待ってるんですけど?
眷属になったらご主人の言うことは絶対なの!
君は私の奴隷なのよわかってる?
もうほんとに君って人は…
出会った時からそうやってニコニコして私が何をしても何を言っても怒らない。
(彼に抱きしめられる)
(呟くように囁くように)
心のどこかで私きっと気づいてた…
だから君にはチャームが効かなかったんだ。
何がって…
(優しく囁く)
初めからこうなる運命だったって事…
愛してる…永遠に…
ジ・エンド
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