らじらーでのことについて

普段は乃木坂とかあんま追いかけてなくて、らじらーも今回初めて音声を聞いたレベルだけど、ちょっと流石に言いたいことが多すぎてTwitterの140文字じゃ伝えきれないと思ったのでnoteに書くことにします。

まず、僕の感覚において、彼は間違いなく演出家として失格だと思う。

僕は同じエンタメ関係ではあるけど違う仕事に就いていて、ましてや新人だからこんなことを言うことへの資格があるのかついては自信が無いが、1人のエンターテインメントに携わる人間として、彼のような人間にはついて行きたくないし、今後自発的について行くことはないし、そのような人間になりたくないと思う。

ああいうことをするとはいえ実績だけはあるようだから、少し調べただけでどのような仕事をしてきたかはすぐに出てきた。

乃木坂のライブはもちろん、ジャニーズ関係、そしてHKTのライブに携わってきた縁で指原さん系列のアイドルの演出も手がけているらしく、今回問題になっている厳しすぎる、というより度を越してる指導も以前から話題にはなっていたらしい。

厳しい指導をすればいいのかという話だけど、これには「どんなことを言われてもあの人について行こう」と思わせるだけのカリスマ性と実力を兼ね備えていて、認められている人でなければしてはいけない行為だと考えている。

確かにそういった厳しい指導で演者を焚き付けて成功に導く演出家は監督はいるが、それを安易に真似するべきではない。なぜなら、1歩間違えてしまえば企画を破綻させかねない危険な行いであり、超えてはいけない一線を明確に把握していなければ、最悪人間を殺すことになるからだ。

先述した演出家、区別するために成功者と呼ぶが、彼らは厳しい指導で追い込むことはあれど、明確に容姿を否定したり、ましてや公演中に起きた事故の責任を、遠くにいた演者に転嫁することなどしてきていないはずだ。


そして、乃木坂メンバーはじめ、まだ20歳前後のアイドルにあそこまでの厳しい指導は必要なのかという話。

誤解を招かないために前置きをするが、僕は決して彼女らを向上心のない人だとは思っていないし、彼女らをヨイショして褒めちぎり、甘やかすだけの指導でなければいけないとも思っていない。

ただ、まだプロとして発展途上にいる不安定な彼女たちに対して、人格否定レベルの指導をするのは明らかに違う。

あのタイプの成功者の指導が受け入れられているのは、もうプロとして成熟しきっていていて、多少の罵声を受け切るだけのタフネスさも持ち合わせている、いわばストイックの塊のような人達がいて、なおかつ相互的な信頼関係を既に構築し終えているからこそ成し得ることであり、業界に入りたての人達の前にポッと姿を現した程度の時間と信頼で出来ることでは決してない。
そもそも時代背景的に、たとえ構築できていたとしても第三者視点から叩かれる可能性もあり、もう業界では絶滅しかけているメソッドなのではないかとすら感じる。

時に厳しい指導を乗り越えて~、みたいな話が美談として語られることが多い。最早アイドルの裏話ではお約束なものだが、果たして簡単に美談として片付けていいのかと思ってしまう。
正直、ただ辛いだけの話を美談として語るのは好きじゃない。僕がアイドルのドキュメンタリーにあまりいい思いをしないのはそういった事情もある。

厳しい指導、大きな壁、試練。
とりあえずその言葉を入れておけば美談になるんでしょうと、手の平で良いパフォーマンスをして客を楽しませようとしている純粋な彼女らを転がし、弄び、心を掻き乱す。
理不尽に苦しませるだけ苦しませて、その大人たちの醜態を恥ずかしげもなく大人自らが世に晒し、最終的に彼女らが苦しみながらも必死に表では頑張って笑顔を作って積み上げてきたものを、金のためにブチ壊す、そんな運営のオ〇ニー映画の宣伝にまた彼女らを走り回らせる。

そんなのがまかり通って良い訳がない。間違いだ。

もう、苦しませるだけのメソッドなんて滅びてしまえばいい。

さて、ここで愚かな演出家と対称的な、規範的な人の話をしたい。
坂道を追いかけている人達ならば最早名前を出さなくても分かってくれるだろうし、このような記事で名前を出したくないほど尊敬している人なので敢えてぼかした書き方をするが、僕は某先生のようなあり方が、今の時代のアイドルの指導者としてふさわしいと考えている。

もちろん甘やかすだけでなくメンバーに対して厳しくすることもあるが、決して個人を傷つけて否定することは言わないし、アドバイスを求められたら真摯に向き合ってヒントを与え、自信を失っているのを見れば声をかけて励まし、失敗すれば共に傷を背負い、成功すれば敬意を持って讃える。
何より、彼からは演者に対する尊敬と、エンタメを作ることを共に楽しむという気持ちが滲み出ている。だからこそ、演者も口を揃えて敬意を表すし、ファンからも厚い信頼を寄せられているんだろう。

少し話が逸れたが、「〇ね」や「ブス」といった直接的で幼稚な侮辱や、事故でショックを受けているメンバーに追い打ちをかけるような発言を平然とやってのけるような人間は、アイドルの演出に携わるべきでは無いと個人的に思う。

彼女らは、ただひたすらに厳しくするだけの人間ではなく、時に厳しく時に寄り添ってくれる人間を求めている。それがプロとして果たして正しいのかは明言できる立場にないけど、芸能界でも特にナイーブでデリケートな人達の指導者には、なるべくそういった人間を起用してほしいというのが願望だ。

少なくとも言えるのは、演者が「厳しい指導の中で酷いことを言われたこともありました」と話した後に、「でもその演出家がいたから頑張れたし、いい作品を作れました」と胸を張って笑顔で話すことが出来ないような演出家は、ただ厳しいだけのメソッドをする器の人間では無いということだ。

今日のらじらーの音声では、とても聖来ちゃんが苦しそうに話していて、時折泣きそうになっていたのも伺えたし、もし彼の演出に対する彼女の印象に少しでもプラスな部分があればそうはならなかったはずだ。

僕個人の意見としては、彼は演出家として失格だし、もう二度と彼女らの演出に携わって欲しくないと切に願うばかりだ。
そして、彼女らが客を喜ばすことに100パーセントの力を注げる環境作りに運営の大人たちは勤しんでほしい。

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