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地震大国日本…今起きていることから、制震装置をつける必要性について考えみてました

令和6年能登半島地震で罹災された皆様へ、心よりお見舞い申し上げます。

衝撃的なニュースでした。今回の地震で石川県の珠洲市では、1981年の「新耐震基準」導入後に建てられた又は改修された家屋が倒壊していたことが、金沢第などの現地調査で分かったそうです。原因としては、「新耐震基準」を満たしていても、約3年間続いた地震のダメージが蓄積し、倒壊に至った可能性があるとのことです。

それを踏まえて、建築会社が出来ることとして制震装置の必要性を考えてみました。

制震装置を付けるメリットと重要性
地震の蓄積ダメージ軽減する=建物を長寿命化
・金物の緩みを低減できる=耐震性の維持
・建物の気密性を確保できる=耐久性の向上


地震の特性
1強い揺れ:熊本地震では、前震(震度7)の2日後、本震(震度7)が発生し3日間にわたって震度6弱以上の余震が計5回発生しました
2繰り返す揺れ:熊本地震では、2ヶ月で1700回を超える有感地震が発生しました。震度5を超える余震も多く、建物にダメージが蓄積され、その後の地震によって、倒壊に至ったケースも少なくありません
3共振現象(キラーパルス):小さな揺れが建物と共鳴し、建物に大きな被害や倒壊をもたらすことがあります

地震対策の3つの工法
・免震:地震を建物に伝えないようにする工法。住宅には不向き
・制震:ダンパーなど使用して、地震の揺れを吸収する。
・耐震:柱や耐力壁を強化して、建物自体を堅くして揺れに耐える
⇒つまり耐震の考え方は、揺れるけど建物は耐えられるという考え方です

 制震と耐震の考え方について違いが分かったと思います。耐震と同様に制震についても必要性を考えないといけないのです。

制震装置の紹介
通常の制振ダンパーは地震のエネルギーに反応しますが、今回紹介する「evoltz」は、初動から小規模な地震にも対応し、地震を感じさせないバイリアル特性があります。この制震装置は高級車のダンパーにも使用されており、初動から最大級の性能を発揮することが特徴です。

evoltz 動作イメージ


まとめ
建物の安全性を確保するためには最低でも耐震等級3が必要です。さらに、建物を長寿命化させたい場合には、「evoltz」などの制震装置の利用を検討すると良いでしょう。初期から最大級の性能を発揮することで、地震の蓄積ダメージを軽減し、気密性の確保、構造金物の緩みを低減することが出来るのです。

耐震等級3が必要な理由は、以前私が書いた
「簡単解説!初心者にも分かる 住宅構造設計のポイント!」
の記事にも書いております。簡単に解説いたします。
建築基準法は、最低限の基準です。大地震においては、一度のみの安全性を確保できるものとなっております。新耐震以降の建物でも、耐震等級1(最低限)では心もとないと感じたはずです。


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