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van Gogh Museum、ヴィンセント ファン ゴッホ、“花咲くアーモンドの花” (1890)

弟テオの子供、つまり甥の誕生を,ゴッホはアーモンドの花の絵をテオ夫妻に送ることで祝った。
ゴッホは木の描写に特別な思いを抱いていたように思われる。右のテオ宛てに送られたスケッチに、“自然をよく愛する人々なら、この苔や草の色合いを見て<ぼくの描いた鳥の巣>をきっと好きになってくれるのではないかと思う”と書き留めている。まるで、木のディテールを観察し、描き込むことで、生命の祝祭と言ったようなものを表現しているようだ。このアーモンドの花の絵も、背景の青と花の白(ピンクと黄が混じる)の色彩の対比、枝の躍動感ある形から描き出された装飾的な美しさと同時に、木の描写にテオとその家族に対する想いを託したゴッホの心の在りようも感じ取ることができる。
送られた当時、テオ一家の居間のピアノの上に飾られていたと伝えられるこの作品は、現在、ゴッホ美術館の後期の展示室の中央に、誇らしげに飾られている。

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