上手な面談を行う秘訣

最近、1 on 1ミーティングという言葉と共に個人面談を導入する企業が増えています。

1 on 1ミーティング=個人面談に於いては、相手に本音で話をしてもらう事がとても大事だと思います。

本音で話をしてもらう為には、"何を言っても大丈夫""何を言っても怒られない""何を言っても評価に影響ない"という安全安心な場づくりが、大きな鍵を握っていると考えます。

私は外部の専門家として、企業の部長、課長などの管理職の方々に、1 on 1 のコーチングやグループコーチングを年に100回程度提供しております。

上記の理由により、私は面談を始める前の安全安心な場づくりを丁寧に時間をかけて行っております。

今日は私が最初にどのように安全安心な場をつくっているのか、を紹介したいと思います。

1. 本日の目的を伝える。

「本日の目的は、貴方の心の中のモヤモヤを晴らし、つっかえ棒があればそれを外し、このミーティングが終わった後、貴方がスッキリと軽やかにグンと前に進めるようにする事です。」

2. 本音で話をしてもらう事をお願いする。

(3.話が外に漏れる事はないとお約束する。)

「皆さんは、お役職のある方なので、職場においてメンバーの前で、弱みや迷いを見せる事が出来ないかと思います。また会社に対して思うことが仮にあったとしても、それをメンバーの前で、あからさまに批判めいた事も言えないと思います。しかし今日この場においては、何を言って大丈夫です。私が会社にチクる事はありません。何故ならば、私は皆さんのモヤモヤを解消したり、つっかえ棒を取り外し、皆さんが前に進むスピードを上げること、踏み込む力を増すことが目的だからです。皆さんは、ネガティブな事を吐き出したとしても、それだけで終わる方ではないと信じています。普段職場では言えないガスを全部吐き出したらその後では、建設的なお話ができる方だと信じておりますので。」

以下は、グループコーチングの際には必ず言うセ台詞です。

「一つだけ、皆さんに約束していただきたい事があります。ここでのお話が外に漏れ、『〇〇さんが××と言ってたらしいよ』と、尾ひれ背びれがついて、言葉だけが一人歩きすると面倒くさい事になります。なので、皆さんに確認させていただきたい事があります。

『今日、私は普段職場では言えないことも含め、本音で話をします。しかし、ここで聞いた他の人の話は、このミーティングが終わった後、外で漏らす事は絶対にしません。墓場まで持って行きます。』

これにお約束をいただける方は、お互いに見えるように挙手をお願いします。」

そう言って、全員の手が上がるのを待ち、全員の手が上がったら、「皆さん、手を挙げたまま、見てください。これで、今日この場は、何を言っても大丈夫な安全、安心な場が築かれました。」

と伝えます。

4.納得感を一番大事にして欲しいとお伝えする。

〜受け取る、受け取らないの判断を全て相手に任せると伝える〜

「私はプロのコーチですが、貴方のお仕事についてや貴方の会社の社風については知りません。年間で、400人程度、いろいろな会社の管理職の皆さんとお話をして、お悩みの解決をしております。多くのマネージャーの皆さんが、どんな事に悩み、どのように解決をしているのか、客観的な立場から、お伝えできる事は少なくないと考えております。しかし、貴方に当てはまるかは分かりません。何を受け取り、何を受け取らないか、その判断は、全て貴方にお任せします。私のお話、アドバイスが、あまり刺さらないと感じたら、私には、当てはまりませんと言っていただいても結構ですし、ニコニコと笑みを浮かべ、ありがとうございますと言って、右の耳から、左の耳にスルーしていただいて結構です。今日、目指して欲しいのは、"Must" や"shuld"の義務感や責任感で何かを受け取るのではく、貴方の"want" や "will" などの"〜したい!"や"〜しよう!"で、何かを受け取って欲しいのです。何故ならば、"〜すべき"、"〜しなければならない"てわは、なかなか力は入らないし、入ったとしても長続きできないからです」

冒頭の場づくりで、時間をかけて私がやっているのは大体以上です。

参加者からのコメントで多いものは、「普段思っているけど、吐き出せる場がなかった。吐き出す事が出来ただけで、とてもスッキリ出来た。ありがとうございました。」「結局、皆んなの話を聞いていると、仕事内容やメンバー構成には違いがあるものの、似たような事で悩んでいる事がよく分かり、私だけじゃないんだと安心した。」「自分の悩みやお困りごとを吐露した時、『うんうん。分かる、分かる、』『俺も一緒』と共感が得られた事がとても嬉しかった」などなど。

結局、人は"言葉にして外に出すだけで気持ちが整理される。そして、そこに共感や同意をもらえたりするだけで頑張れる"ものなのだなぁと、つくづく思います。

そして、そのような場はとても貴重なモノなのだと、私は私の提供している場に大きなやりがいを感じております。

今日はこの辺で失礼致します。

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