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オペラ【椿姫】よりアリア

数々のオペラで有名な作曲家ジュゼッペ・ヴェルディが1853年に発表したオペラ。原題は『道を踏み外した女』を意味する【ラ・トラヴィアータ】


日本ではアレクサンドル・デュマ・フィスの原作小説『椿姫』と同じ『椿姫』のタイトルで上演されることが多いです。
19世紀の衣装も楽しめる華やかさのある鑑賞しやすいオペラです。

【先ずは粗筋です】

パリの高級娼婦ヴィオレッタはとある貴族の囲い者ですが、青年貴族のアルフレードと恋に落ち結婚迄考え生活を共にします。

然し、アルフレードの父親は対面上結婚を許しません。
或る日、屋敷を訪ねて来てヴィオレッタに理由を告げます。

ヴィオレッタは、泣く泣く身を引き貴族の元へ帰ります。
アルフレードは訳が解らず怒りに任せてヴィオレッタに復讐し、父親の言う事を聞きます。

ヴィオレッタは傷心により、以前から病んでいた肺病が悪化、生きる気力をなくした彼女の臨終間近に事の成り行きが解ったアルフレードが駆け付けますが、時すでに遅しヴィオレッタはアルフレードの腕の中で短い生涯を終えます。

椿姫の中で一番華やかなアリア《乾杯の歌》

オペラ中の第一幕目のアリア【乾杯の歌】
【ああ、そは彼の人か】【花から花へ】など有名ですが、

ヴィオレッタのアリア/ああ、そは彼の人か~花から花へ

ヴィオレッタの心情が歌われます。


私が一番好きなアリアは、2幕目第一場でヴィオレッタの恋人アルフレードの父親ジェルモンが息子をなだめるように故郷のプロヴァンスへ帰るようにと促すように歌います。

Di Provenza il mar, il suol プロヴァンスの海と大地

Renato Brusonレナート・ブルソン(バリトン)の唄で、聞き取りやすい声です。

原語と訳詞の歌詞です。

Di Provenza il mar, il suol
chi dal cor ti cancello?
chi dal cor ti cancello?
Di Provenza il mar, il suol
Al natio fulgente sol
qual destino ti furò?
qual destino ti furò?
Al natio fulgente sol

プロヴァンスの海と大地を
誰がお前の心から消したのか?
誰がお前の心から消したのか?
プロヴァンスの海と大地を
故郷の光り輝く太陽から
如何なる運命がお前を連れ去った?
如何なる運命がお前を連れ去った?
故郷の光り輝く太陽から
 
Oh, rammenta pur nel duol
ch'ivi gioia a te brillò;
E che pace colà sol
su te splendere ancor può.
E che pace colà sol
su te splendere ancor può.
Dio mi guidò!
Dio mi guidò!
Dio mi guidò!
 
ああ、苦しんでいても思い出してくれ
其処では喜びが光輝いていたことを
安らぎは向こうの土地にだけあり
お前に再び輝くのだ
安らぎは向こうの土地にだけあり
お前に再び輝くのだ
神のお導きなのだ!
神のお導きなのだ!
神のお導きなのだ!
 
Ah! il tuo vecchio genitor
tu non sai quanto soffrì
tu non sai quanto soffrì
il tuo vecchio genitor
Te lontano, di squallor
il suo tetto si coprì
il suo tetto si coprì
di squallor, di squallor
 
ああ、お前の年老いた父親が
どんなに苦しんだのかを 
お前は知らないのか
お前がはなれてから、
家は悲しみで覆われたのだ
 
Ma se alfin ti trovo ancor,
se in me speme non fallì,
Se la voce dell'onor –
in te appien non ammutì,
Ma se alfin ti trovo ancor,
se in me speme non fallì,
Dio m'esaudì!
Dio m'esaudì!
Dio m'esaudì!
 
Dio m'esaudì!
 
Ma se alfin ti trovo ancor,
Dio m'esaudì!
 
Dio m'esaudì!
 
だが、最後にお前に再び会えたなら
私の中で希望が失われていなかったなら
名誉の声がお前の中で
完全に消えていなければ
神は私の願いを叶えてくれたのだ!

本日も最後ま御読みくださった皆様
有り難う御座いました。