現実世界の話#1

創作活動をしていると、行き詰まることがある。それはいいものが思い浮かばないというよりは、どうして私は創作をしているのだろうという疑問を抱いてしまうということだ。
私にとっての創作とは、なにもない無の状態から何かを生み出す作業ではなく、私が日々の生活でみている世界を記録し、彼らあるいは彼女らが意味もなく消えてしまうのを防ぐことである。
私の記憶の中にしか住めない実態のない人たち。無意識で私が生み出した、私だけが知っている人たち。私の中に閉じ込めておけばいいものの、どうしてか外へ出させてあげたいと思う。
誰かに読んでもらいたいって気持ちがないと言えば嘘になる。誰かに認められたいという承認欲求も人並みにある。
だけど、私の空想上の人物が自由に動き回っているのをみたいというのが一番の思い。受け入れてくれる誰かのところへ。文字を通して行けますように。
そう思いながら今日も私は創作、いや、記録をする。
結局、私は文字におこすことでしか私がみえている世界を伝えることができないのだから。
気ままに、現実と空想を行き来しようとしましょうか。


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