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「惑星のさみだれ」のアニメ化について

私が好きな漫画に「惑星(ほし)のさみだれ」という作品があります。作者は水上悟志氏で、2005年から2010年までヤングキングアワーズで連載されていたようです。
私がこの作品を知ったのは、単行本の最終巻が出た後、古本屋で立ち読みをしたのがきっかけでした。
いい本と出会ったとき、思わずガッツポーズをしたくなるような衝動にかられますが、まさにこの漫画はそんな衝動を感じた作品でした。
もう、面白いのなんの。

私は、最初弱かった主人公が徐々に強くなる系の作品に惹かれる傾向があるのですが(Fateとか盾の勇者とかダンまちとかネギまとか)この作品も主人公の成長が描かれています。

次に、内容が熱い。超能力を手に入れた主人公が戦いに巻き込まれ、仲間と出会い、強くなり、地球を破壊しようとする敵を倒していく。そんな王道な展開のように見せて実はそうではない、というところも好きです。
実際はもう3回くらいひねられて、超王道に戻ってきてる気もしますが。

そして、何より泣き顔がいい。登場人物の感情表現に定評のある水上さんですが、この惑星のさみだれでは様々な「泣き」のシーンがあります。声をこらえて泣くシーンでも、大声をあげて泣きじゃくるシーンでも、描かれたキャラクターの表情がとても複雑で、同じ「泣く」という表現でもその内に秘められた感情を伺い知ることができます。
たまに全10巻を通しで読んだりしますが、今でも何回か泣けます。ガチで。

そんな作品がなんと7月からアニメ化するとのこと!!!
うれしいような不安なような、正直、複雑な気持ちです。
もう放送直前ですが、私が個人的に期待している点と不安な点をそれぞれ挙げてみたいと思います。

アニメ化で期待している点

動きの表現

惑星のさみだれは個性的な敵との戦闘が魅力の1つだと思っています。そしてその戦闘は各登場人物が持つ超能力によって行われますが、肉弾戦がメインです。超能力で肉弾戦?となりそうですが、肉弾戦なんです。
投げ技、徒手空拳、武器、召喚獣(?)など手段は様々ですが、漫画内ではキャラクターが戦場を駆け回るシーンが描かれていました。
漫画という静止画で感じていた戦場のスピード感、動きをどのように表現してくるのか、気なっています。

超能力の表現

上にも書きましたが、この作品はメインとなる登場人物たちが超能力を使用して戦います。
ただし、一般的な超心理学的な超能力(エスパー)ではなく、「掌握領域」というものを生み出し、その領域内で物を自由に動かすことができるという能力になります。この領域の使用には体力が必要で、使用しすぎると激しい運動をした後のような疲労感に襲われます。
また、主人公たちそれぞれが変わった使い方を編み出し、物語の後半では特化された能力に変化していきます。
この領域は、漫画の中では不透明な不思議な物体として描かれていましたが、実際にアニメになった際はどのように表現されるのか、気になっています。

声優さんの「泣き」の演技

もうこれです、これが一番気になっているといっても過言ではありません。
今回のメインキャストを見てみると、なかなかのベテラン揃いです。
私が最近のアニメを見ていないこともあり、あまり知らない声優さんもいらっしゃいましたが、参加作品を確認すると最近よく名前を聞く作品に出ている方も多数いらっしゃいました。
そうなると俄然、演技には期待が膨らむというものです。
先にも書いたとおり、私は、惑星のさみだれという作品の魅力の1つは「泣き」のシーンにあると考えています。内に抱えた思いとこぼれた涙、外に出すしかない感情の発露としての泣き、これがどのように表現されるのか、私、気になります。

漫画では描かれなかった掛け合い

これは気になっているというよりも楽しみにしている点になります。
原作に忠実に作ってほしい、という思いはあるのですが、折角のアニメ化です。本来なら原作が完結して続きがなかったはずの物語の、ある意味続き、追加の物語が見られるのですから、原作にはなかった会話もあることでしょう(是非見たい)
また、コマの外で行われていたわちゃわちゃとか、登場人物も多く、ベテランも参加されている作品ですから、もうアドリブ合戦になるに違いありませんよ(とても見たい)

アニメ化で不安な点

声のギャップ

完全に私の個人的な事情ですが、昔から繰り返し読んでいた作品なこともあり、それぞれのキャラクターの声については一過言ありました
ドラマCDも聞いてましたから、その印象もあります。
私が想像していたキャラクターの声の感じと、実際の声とでギャップを感じてしまわないか、それが私の中で作品に対する評価を歪めてしまわないか、とても心配です。
私の理想のキャストと実際のキャストについては、とても長くなりますので、別の記事で語りたいと思います。

どこを削るのか、そもそも何話なのか

これは俄然気になっています。
原作は全10巻です。1巻を2話ペースで映像化したとしても20話。正直なところ戦闘や展開がスピーディなこともあり、そんなにもつか?という気もしています。しかし、1クールで終わらせるのはあまりにも勿体ないという気もしています。
作品の内包する「マチ」の部分をうまく映像していただき、是非2クールで。本音を言うと、動いてる「さみ」たちを、もうできるだけたくさん見たいんです

当て字の表現はどうなるのか

これな。これ本当にどうやって表現してくれるのか、不安と期待が五分五分な感じです。
完全にネタバレになりますから、具体的な表現は避けたいと思いますが、〇〇〇が〇〇〇するシーンですよ!!もうあのページを読んだ時の鳥肌ったらなかったですから!!
技に名前を付けることで自己暗示をかけて能力を強化する、そして付けた名前にも2重3重の意味を持たせてるっていうね!!
タイトルの時点で「惑星」を「わくせい」ではなく「ほし」と読ませてますし、作中にもそういうネタは多いです。
「ルビ」というのは、アニメではできない小説や漫画の強みですが、その部分をどうするのか、気になります。

期待度があがりすぎていないか

待ち望んでいたアニメ化なだけに、私としては、上記のとおり不安な点はありますが、ほぼ期待値はMAXです。
そしてそれが怖い。
残念ながら世の中には、原作が名作だがアニメはほどほど、という前例はいくつも存在しています。
ほどほどな出来であれば十分に満足できるはずなのに、原作が好きすぎるからそれでは満足できなくなる、そんな作品も今までにはありました。
そうなりたくない・・・惑星のさみだれについては与えられる全てを好きになりたい、そう思っています。

アニメ化に対する結論

総合的に考えて、めっちゃ楽しみです!!!
おそらく放送開始までに、もう1回は漫画を一気読みすることでしょう。
記事中にも書きましたが、アニメのキャストについても別の記事で語りたいと思います。

水上悟志氏については、是非こちらのサイトを。


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