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カフェオレ

 あまりに暑いな~、でも、散歩には行こうかな、行くべきだな、とゴミを捨てに歩いていると、うちのおばあさんに出あった。おばあさんはもう、ゴミを出したあとだったけど、ちょっと話し込みかけて、
「ゴミが重たかろう?先に出してきたら?」
というので、
「はぁい。」
と、ゴミを出しに行く。おばあさんが待っているので、暑すぎる散歩はキャンセルして😊、ゴミを出したあと、一緒に話しながら歩いて帰る。なかなかのスローペース😊。
 ここでは話せないような、雨子さんの笑えるエピソードを聞きながら、ご近所の道の脇にどんどん生えてくる笹?竹?の細いのを、あとあと邪魔にならないようにポキン、ポキンと折りながら、歩く。そうして二人でうちの坂の下まで帰ってくると、軒下さんが、しっぽを足首に巻いた、お利口なスタイルで坂の上に座って待っている。

「雲子、梅干し要らん? おばあさんが生きてる間には食べきれんほど、いっぱいあってね、要るならあとで取りにおいで。」
「……😊😊😊💧~ はぁい。」
 おばあさんの8割本気のような、冗談のような、笑えるような、笑ってもいいのか分からないような言い方……。



 軽い網戸を開けて家に入ろうとすると、するっと入ってくる軒下さん。
玄関の前の涼しい廊下にごろん!と音を立てて寝転んだ。
 猫なのに音を立てて😊。

 わたしが台所のほうに行こうとすると、
「今日はやたらに毛が抜けるのよ~  ほら~  ほら~
 あぁ~ うっとうしい~ また~ こっちも~」
とかぶつぶつ言って、毛皮を舐めながらわたしを引き留めようとするので、牛乳にインスタントコーヒーを、ちょっと入れたか入れないかぐらい入れた、コーヒーほぼ牛乳を持ってきて、廊下の冷たい床に、音を立てずに座った。
「わたしのほうが猫やん?」
と撫でてやると、わっ😮、毛が!



 とある女子中学生は朝から部活に行った。
 とある予備校生は模試を受けたりその他のために、前日から東どなりの県に、泊まりに行っている。お母さんの検索能力が低いので、自分でホテルからなにから調べて、自分で支払いも済ませて、駅までは例によってわたしが運転したけど、
「模試もちゃんと受けれたよ。11時間耐久は長すぎて気力が持たんで、ダメそうやけど。あんまり出来んかったわー。あー疲れた。もう寝るわー。」
と、電話までちゃんと掛けてきた。

 どうしちゃったんだ、予備校生??
この前まで、タケノコが怖くて泣いていた人じゃない。
運動会の、「用意……、」のあとの、「バーン!」が嫌で、耳を塞いだままスタートしてた人じゃない。
めったに行かない旅行で宿泊なんかすると、いつまでも眠れない人だったじゃない。
試合前日も、「やばい!緊張する。眠れんー、眠れんー」って、嘆いてる人だったじゃない。
 それが自分で泊まって、さっさとちゃんと寝る覚悟とは。

 こういうときのお母さんの感情を、「喜び」などと呼べるのだろうか…………。




 猫はふにゃふにゃ言うのを止めて、寝てしまった。

 網戸の外の裏山は、何かの葉と竹の葉が、朝なのにギラギラしていて、風が強い。台風の余波がまだ残っているのかな……?




 さて飲み終わったから、ぼこっと抜けた猫の毛をなんとかするため、フロアーモップを取りに行った。
 戻ったら、猫が目を覚まして、わたしが普通に動かしているだけのフロアーモップを、とても怖いものを見るかのように顔を上げ耳を立て、慌てて立ち上がった。

 掃除は諦めようかな、と思ったけど、せっかく取ってきたんだし、
   しょうがないでしょ? 軒下さんの毛のせいでしょ?
   掃除機よりはましでしょ?
と続行した。
 そろ~っと、警戒してついてくる軒下さん。






おまけ: 編み物が獣に見えるのか、距離を取ろうとする猫。
    (と、なかなか進まない編み物。)

「・・・動く??」「さあね~😊」


 



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