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きんようびのよるに

 採点・成績処理・授業に追われて慌ただしく、古いほうの学校、新しいほうの学校、とにかく生活全般の不全感に襲われながら、古いほうの高校で3時間、新しいほうの高校で2時間、つまり6分の5の授業がある金曜日(小学校や中学校では、もしかして当たり前でしょうか。)の学校が終わり、「あ~、座りたい~……」と、思いながら、買い物に行って、夕ご飯を作って、とある無口な女子中学生と夕ご飯を食べ、それを片付け、お風呂を入れて、やっととある女子中学生と共用の部屋の、わたしの隅っこに座ることが出来た。

 ひとつながりの文で表したいような一日……。


 ずっとちゃんと働いている人の体力・精神力って、なんともすごいですね?仕事が出来るとか出来ないとか、認められるとか認められないとか、そんなのは高度すぎる悩みです、わたしにとっては。働けているだけで、十分に雲の上、尊敬の域。どう考えても、わたしたちの時代に、今まで働き続けていらっしゃる人は、間違いなくインターハイレベルの猛者ですよね。



 あ~疲れた、ほんとに疲れた、あ~疲れた、ほんとに疲れた、と、心の中で繰り返しながら、久しぶりにnoteを開いて、ぼんやり読んでいた。

 すると、そんなお母さんの気持ちを知らない、現在はじめての中間考査のテスト週間中のとある女子中学生が、
「ねぇ、問題出して。」
という。
「えっ、問題~……?」
と、テスト問題に少々飽き飽きしているわたしは、全然乗り気でない。
「社会の問題出して。歴史。」
「えー。お母さん、社会科の免許持ってないから分からないんだって。」
「でも、古代のへんは面白いって言ってたやん。」
「えーー。(過去の失言を悔やむ)……まあたしかに……。じゃあ、アウストラロピテクスって何でしょう?」
「なにそれ、習ってない。」
「え?ほんと?じゃあ、ネアンデルタール人は?」
「習ってない。」
「え?じゃあ、何を習ったの?」
「猿人。原人。新人。」
「あ~、なんかあったね~。何やったっけ?猿人って。」
「猿が立ったような人。」
「……、ふうん。じゃあ、原人は?」
「石器は使う。」
「……、ふうん。じゃあ、新人は?」
「今の人の祖先。」
「ホモ・サピエンスってこと?」
「うん、たぶんね。」
 へぇ、もう忘れてるな~、大昔は日本史も世界史も教えたことあるんだけど😊😊。そもそも、わたしはこういう分類みたいな学問は面倒なので嫌いなタイプ。だから、アリストテレスはあまり好きではない。
 と、そのあと、四大文明、地理の緯度とか経度とかのあたり、理科のシダ植物・コケ類、英語の単語の問題を出さされた。
 地理は長らく教えたので中1の基礎知識ぐらいは余裕で!分かるけど、英語も中1の習う単語ぐらいはさすがに余裕で?分かるけど、他のことはほぼ忘れている。
 花びらがつながっているか、つながっていないかによって、植物が分類されるなんて、初耳のような気がする。そんな話、知ってました?
 高校の先生なんだから、少なくともその教科の中学生の知識ぐらい、知っていると思われがちだけど、ぜんぜんそんなことはないのであった。
 みなさんは、中1で習ったこと、覚えてますか😊?


 昔から、そう。興味のないことでも、テストまで覚えておけと言われればちゃんと覚えていられるし、興味のないことでも、まるで興味があるかのように真面目に探求するのも好きなのに、ただ、逆にこだわらないのですぐ忘れる。だから、毎年本を本棚から出してはたきをかけるようにして、「なんだったっけ?」と知識にはたきをかけて使えるように整えないと、仕事にならない。手間がかからないような、かかるような。
 もうちょっと、こだわりのある大人になれれば、仕事もやりやすいのかもしれないけど、それだと家族は困るだろうし、そもそも人格なんて変わらなさそうだし、アドラーならこう思って変わろうとしないわたしは、こだわりのない自分に都合の良さを感じているんだとか言うんだろうし。 

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