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昨日

 先週の金曜も、昨日の月曜も、期末考査中なのに、大雨が降って、また、ローカル線が止まって、学校が休校になったり、午後からになったり、考査が延期になったりで、「???」になっています。この先、夏休みまで、どういう予定になるのか、よく分かりません。知らないところに落とし穴が出来ていそうで、こわい…。

 でも、おかげさまで、古いほうの勤務校の採点他を終えることができました。浮いた時間、雨ばかり降る空を眺める余裕ができました。なんとなく過去の小さなあれこれが思い出されて、しばし自己反省…。で、窓から見える空をアイコンにしてみました。全体が雨雲。数日間限定の地味な遊び。

 テストが終わった後の夏休み前の授業で、新しいほうの学校で、『正義論』のロールズや『実力も運のうち 能力主義は正義か?』のサンデルをやらなくては、と、それについて考えていました。今年はアメリカの大統領選があるから、勉強するチャンスかな?と、思って。

 というわけで、NHKオンデマンドで2021年放送の『パンデミック揺れる民主主義 ジェニファーは議事堂へ向かった』を見ました。
 これは、四年前のアメリカ大統領選のときの「議事堂襲撃事件」の背景に、アメリカ社会のどんな分断があるのか、その分断とSNSがどのように絡み合ってあの事件に至ったのか、という内容のドキュメンタリー番組です。
難しすぎなくて、高校生に丁度良さそうです。

 アメリカの議事堂襲撃事件は、急速に拡大したSNSのコミュニティに参加していた人たちが過激な行動に走ってしまったという側面があるそうで、このように急速に拡大して盛り上がるコミュニティは危険なのだそうです。
 襲撃事件のような過激な行動を、どうやって食い止めるのかを研究する「情報疫学」というものがあるらしいです。その研究者のニール・ジョンソン教授は、「急速な拡大をするコミュニティー」の勢いをそぐことが出来れば、過激な行動を抑止できると考えているそうです。
 では、どうやって勢いをそぐのか。ジョンソン教授のシミュレーションでは、似たもの同士のコミュニティは急速に拡大しやすく、そこに異なる意見を持つメンバーを入れると、拡大はゆっくりになっていました。
 意外なのは、過激な行動を抑止するには、過激な行動を引き起こすような偽情報そのものと闘うのではなく、偽情報とは別の考え方の情報をそこに付け加えるだけでも、結果は変わってくる、ということならしいことです。
 おもしろい……。

 これは日頃から、学校など人の集まるところでは、すごく感じるところではありませんか?
 普通高校より同じようなメンバーが集まりがちな、古いほうの勤務校の各科。みんなの興味が似ているので、すぐ騒がしくなったり、やる気を失ったり。
 でも、ちょっと騒がしめなクラスでも、直接対決で脅したり、責めたりしなくても、その中に何人か「落ち着いて授業聞こうよー。」「真面目にやろうよー。」「先生困ってそうだよー。」と、内心思っている人がいてくれると、存在がじわじわと効いてきて、わたしみたいな先生でもわりと何とかなったりします。今までそこまで、暴動になったことはないです。今後は分からないですが😊。

 数人の力、おそるべし、です。自分はみんなと違う、と居心地悪く思っている人こそ、そこに居るべき人、存在自体で役に立っている人なわけです。

 まあ、クラスによって、その落ち着きどころは違うし、100%ぱりっとするわけでもありませんが。でも、自分たちが必要だと思う程度に、しっかり勉強してくれればいいだけですしね。


 ドキュメンタリー番組って、おもしろいです。高校生たちと一緒に見られて、楽しい仕事です。


 今日も雨が降っています。何か抜けていそうな、漠然とした不安が漂うような空気。実際、集中力が低下していて、嫌な失敗を起こしてしまったりします。(すでに、昨日買おうと思っていたお味噌を買い忘れていました…。)
 だから、最初から開き直っておかないと。




※ アイコンはもう、夏仕様に変えてしまいました😊

 


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