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コラボイベント「毎週ショートショートnote」×[note企画]『春弦』 「雪解けアルペジオ」(裏お題)

✼スズムラさん、コラボヘッダー、使わしてもらいます。ありがとうございます!!

 「雪解けアルペジオ」が聞こえる頃、山の中では、雪割草が咲き始めていた。春の息吹が感じられる―
動物たちも動き出す。きのこもニョキニョキ。それを弾いているのは、山に暮らすシンガーソングライター、ホウダツ。山の中腹にある切り株に腰掛けている。「雪解けアルペジオ」は、雪解け水の音とシンクロして、ハーモニーを奏でている。
 ホウダツは、しばらく弾いたあと街の方に行くことにした。
「ちょっと、出てくる」
「行ってらっしゃい」
動物たちは、ホウダツを見送った。
宝達志水町。地震の影響は、川の近くで液状化など被害があったようだ。ホウダツは、ギター片手に出てきたので、町の人たちをも癒やす、自然の音を届けた。
 桜が咲いても、なかなかそれだけでは癒やされなかった町の人たち。しかし、山も春になったのかと、少しホウダツから元気をもらった様子。初夏の祭りの準備も始まった。

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