義母と実母
結婚して義母ができた。
義母と接するようになってから、母親とは頼れる存在だと思えるようになった。
義母は実母よりも10歳近く年上だから年の功があるのかもしれないけれど、人として、母親として尊敬できる存在だ。
どこの馬の骨か分からないわたしを、結婚当初から快く受け入れてくださった。(息子を信頼している親子関係のもと、息子が連れてきた人ならば…という前置きがあったからだと思うけれど)
男の子しかいないところにお嫁さんが来てくれたと、今は亡き義父が喜んでくださり、それはそれは温かく迎え入れてくれた。世代的に義父母は『男は家庭を持って一人前である』というような価値観があったと思われ、結婚する気があるのかないのかヤキモキしていたところにわたしが登場したものだから、早々に受け入れてくださったとも考えられる。
その上、なかば諦めていた孫まで抱くことができたことを何よりも喜んでくれた。孫を愛でる幸せは想像以上であったことを、わたしにも感じさせてくれた。やっとの思いで出産した経緯などは伝えていなかったからこそ、それまでの苦労はなかったことにできるくらいの出来事として今でもありありと覚えている。
わたしは、義父母との関係性を深めるなかで、人として親としての心がまえや価値観を、新たに得られたと思っている。
結婚する前のわたしは、親とは頼りない存在だと思っており、実母の意見や考えを否定していた。もっと言うと、母が考えそうなことの反対を考えればいいとさえ思っていた。
簡単には縁を切ることができない親を、子どもが尊敬できないとはどれほどつらいことかをわたしは知っている。親とは尊敬に値するものと無邪気に思えることがなんとありがたいものかと思う。
今となっては、義母と良好な関係を築くことができるのは、ダメな実母との対比により義母を尊敬できるとも思うので、結果オーライと考えるようにはしているけれど。
実母が義母よりも勝っているところを唯一あげるならば、実母といるほうが楽に感じられるところである。(ちょっと怖いのは、子どももそう感じているらしい)世間一般的には、義理の親よりも実の親といるほうが気楽に決まっていると思われるかもしれないけれど、わたしにとってはあたりまえではない……
子どもにとって、わたしはどんな存在になるのか、なっているのかを、考えずにはいられない。。。
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