怪物見てきた
ようやっと怪物を見てきました。ネタバレありの感想が言いたかったので書きました。
そもそも是枝作品も坂元裕二作品も好きで、この2人がタッグを組んだらどうなるのか?!と若干の不安を持って見たんだけど、いやあ恐れ入りました。全くその心配はなかったです。
どちらが食われてるという感じもなく上手くお互いの良い所が噛み合ってたなと。
色んなレビュー見ると、坂元裕二みが強かったと言ってる人が多かったんだけど、個人的には逆に感じたかな。多分、脚本・台詞or演出・カメラワークどちらに注目してるかの違いかなと思いました。
大人パートの前半はあまり劇伴もなく、サスペンス仕立て、後半の子供パートは坂本龍一のピアノが印象に残る是枝監督らしい描き方で、ある種のロードムービーの様であったのも印象的でした。
全体的にもだし、結末はだいぶVagueだったわけで、それにモヤモヤする人や、色んな考察を立ててる人がいるけど、個人的には別にそこを敢えて深掘りする必要はないんじゃないかと思ってます。特に結末については色んな考え方があるとは思うけど、あれが何を指すのかは物語の主題ではないと思うのでどう捉えても良いのかなと。
そもそも世の中白黒つけられることじゃないし、この作品で曖昧だった部分は答えを求めるべき部分ではないんだろうなと解釈しました。
いくら自分が見て、聞いたことであっても立場によって歪みや偏見があるということを改めてつきつけられました。最愛のものを守りたいと思うが故に見える景色も異なり、あらぬ方向へ転がってしまう。誰もが被害者にも加害者にもなり得る。(この辺りは私の大好きなドラマ『最愛』と似てますね。柊木陽太くんを知ったきっかけのドラマです。)凄くリアルな描き方で、終始心臓が痛かったです。
是枝監督作品のテーマは「(血の繋がらない)親子」、坂元裕二作品のテーマは「人の多面性」だと私は感じているので、2人のテーマがカチッとハマった素晴らしい作品でした。ひたすらにこの映画が好きでした。
P.S 「人は被害者にも加害者にもなりうる」がテーマの作品は実はフジテレビ制作の『いとしのニーナ』もです。単なる胸キュン恋愛ドラマだと思ったら大間違いです。
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