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メンヘラコミュ症ホステスになる❊初めてお金で体を差し出した日❊

私は貪欲にお金が欲しかった。

お金で心の安心を得たくて、とにかくお金が欲しかった。
特に欲しいものがあるわけでもなく行きたいところもなかった。

でも私には何もなかったから、とにかくお金が欲しい、お金があれば……
きっと沢山のお金を稼いだら、その先に幸せで素敵な未来があると信じていた。


お客さんで久保さんという解体屋の社長がいた。

彼には奥さんと子どもがいたが、好奇心の強い少年がそのまま大人になったようなひとだった。

家が貧しくて食卓におかずが並ぶことがあまりなかったから、食べきれなくても沢山の食べ物でテーブルを埋め尽くしたいんだと、一緒に食事をすると食べきれないほどの料理を注文していた。

私は貧乏性だったので、それがとてもイヤだった。


初めて彼とあった日、ストレートにヤラせてくれ、と頼まれた。
冗談だと思ったがどうやら本気らしかった。

丁重にお断りした。

彼は粘り強く3時間かけてヤラせてくれと交渉してきた。
最終的に、マンションの家賃を無期限で肩代わりしてくれるということで、体を差し出すことになった。

好きでもない男に抱かれるのは初めてだった。
その背徳感やお金と引き換えにこの人は私を抱いている、と思うと謎の高揚感があった。

今までに味わったことのない快感で何度も絶頂を迎えた。

好きでもない人でもセックスってできるんだ、と感心した。


一度超えた壁は簡単に超えられるようになる。
その後、私は自分を汚し、損ない続けた。

自分のことが嫌いだったので、落ちていく自分が心地よく、そして興奮した。


再生したい、と思えるくらいまで自分のことを壊し続けた。

私がきちんとした人間になるには壊れる必要があったのかもしれない。

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