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いつの間にこんなに歳をとったのかしら

私は毎年歳をとる。死ぬまで14歳の肌艶でいられればいいがそうはいかない。

シミ一つなかった肌は今やシミだらけだし
毛穴なんか見当たらなかった肌は垂れ下がった毛穴だらけ。

ホルモンバランスの乱れから眠れないし
眠れないと体力回復しないし
そうなると新陳代謝なんかどこ吹く風で
クマができてシミが濃くなり肌がざらついてくる。

PMS期なんかもう本当に最悪だ。


介護職をしていた時
毎朝鏡に映る自分の顔を見ては
「はぁ〜いつの間にこんなに歳をとったのかしら…」とため息をつく女性がいた。

まるで初めて自分の顔を見たみたいに
驚きながらため息をつく。


白髪でありながらも生え際から頭頂部まで、ふさふさに生え揃った髪の毛とハリのある肌、

しっかりとした足腰に
美しい姿勢で立つ彼女は
誰が見ても95歳とは思わないだろう。


私からすると十分若々しくて素敵なんだけど
まぁ人生ってそう言うものなんだろうなぁと思い、頷くしかなかった。


あれから10年。
鏡に映る土気色の顔をみて
「はぁ〜いつの間にこんなに歳をとったのかしら…」と彼女を思い出しながらため息をついたりする。



生きるということは、
毎日死に向かい時間を重ねると言うことだ。

死んだらこの身体で、
私が私として、
この名前で生きることは2度とないので

私がこの私として、生きているうちにしかできないことをしておきたい。


それは大切な人の誕生日を祝うことだし

食べること、歩くこと、美しいものを見ることだ。

かわいいものを撫でることや
年齢を重ねていく自分の肉体を愛することもそうだろう。


今日は祖母の94歳の誕生日だった。
大したことはできないが

祖母をはじめ、
両親にも無理やりパーティーグッズを身につけさせ、みんなで写真を撮り、ケーキとお寿司を食べるようにしている。


去年の写真と見比べてみると大した差はないが、2年前と比べると両親の白髪は増えたし、少し痩せた気がする。

私はまた太った気がする。
気がするって言うか、事実太った。
意味わからん。


最近デイサービスデビューした
祖母は、なぜか1人だけ、去年より若返っているような気がした。





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