銀座でのお勤めの十ヶ月間
長い事勤めていた会社を65歳で退職してから、何か仕事をと思いまして、求人サイトで探しましたところ、2件の面接のお知らせが来ました。
一つは、秋葉原、もう一つは銀座でした。
面接後に、一応場所を確認しようと思いましてグーグルマップで見てみましたら、秋葉原も銀座も、その会社があるところに鳥居のマークがありました。
面接の時には気が付かなかったのですが、秋葉原は狸で、銀座は狐を祀っていました。
あらら、なんか化かされている感じ。だとは思いましたが、狸の方は合否の連絡が来ず、銀座の方に決まりました。
当然契約社員ですが、面白そうな会社だと思い、働くことを決めました。
まあまあ古い会社で、銀座に会社を構えることには先代からのこだわりがありました。
営業でお客様のところに行っても「銀座に会社がある」ということで、一目置かれるということです。
銀座には、そういう会社や事務所、支店が数多くあります。
事務所の賃貸料は思ったほど高いわけではありません。
ですが、店舗となると別です。
場所が良いところは、それなりに銀座ですから高いようです。
それでも、銀座に店を構えるのは、名刺やパンフレットに「銀座店」と書きたいだけで、実際は利益度外視で考えているのだろうと思う店がほとんどです。
確かに、地下鉄の銀座の駅で降りて、松屋の方から地上に上がると、ブルガリ、カルティエ、ディオール、ルイビトン、ティファニーなどなど、海外のブランド店が立ち並び、入口にはガードマンが立っているようなところですから、そこの近くに店を出すというのは、凄い事なのだとは思います。
そうそう、私は銀座線を利用して銀座まで通勤していたのです。
浅草が始発なので、絶対に座ることができるので楽だからです。
毎朝、銀座の駅で一緒に降りる人たちの中に、少し変わった人たちがいます。
ネイルとかは綺麗にお金を掛けている感じです。
持ち物も、私は、ブランド品は分かりませんが、高級そうです。
そういった身なりの若い女性が結構おりるのですが、その中にはスリッパを履いているひともいたりして、自分の目を疑いました。
サンダルでは無く、家の中で履くスリッパです。
人目は気にならないのかしら?と思っていましたら、その人はある高級ブランド店に入っていきました。
そちらで働いているようです。
まあ、あれだけの高級店ですから、地下舘の中で顧客に出会うことは無いのでしょうが。。。
高級ブランド店って、毎朝ウインドウを覗くのは楽しいですが、店の中に入る勇気なんてありません。
私の銀座でのお勤めは10ヶ月間で終了しました。
短い間でしたが、東京の下町から来たものには、目新しい事も多く面白かったです。
ただ、この先この町は?と見てみると、大変厳しいものがありました。
まず、ブランド品目当ての外国からの観光客はいても、ふつうの若い人が銀座には買い物にはまず来なくなっています。
若い人にも魅力のある街づくりが必須なのだと思いました。
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