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英語を探せ#6-夜明け前が一番暗いの意味

 日常の考え方や行動を、違った観点で見直すような英語を探しています。夜明け前が暗いというのは、辞書に載っているような日本独自の慣用句かと思っていましたが、米国でも言われていました。困難はその終わりかけの時が一番苦しい、と苦労している人を励ますのによく言われる言葉です。とくに受験生にはよく言われるようです。
 一方、農業の分野で、米国とカナダの養豚生産者は、”production cost”「生産コスト」以下の低い豚肉価格ために現在不況の真っ最中です。ただし”pig cycle, cattle cycle, egg cycle”「豚サイクル、牛サイクル、卵サイクル」など畜産物の市場価格は、需給関係によって数年間隔で変動する “cyclical fluctuations of supply and prices in livestock markets”なのです。下がった市場価格は、家畜数が少なくなると、また上がってくるのです。ただし生産者の数は減ってきます。それを知ったうえでの夜明け前なのです。夜明け前は”Survival of the fittest”「適者生存」という最も環境に適応したもの生き残る時ともみなされます。
 そんなことで米国農業金融系Compeer Financial社のDaryl Timmerman氏は、不況の中にある農畜産生産者にアドバイスしています。
“It is always the darkest right before the dawn. Having a transparent understanding of your financial position and a clear vision for navigating through rough waters will be key to setting sail back out into smooth seas." 「夜明け直前が一番暗い。自分の財務状況を明確に把握し、荒波を乗り越えるための明確なビジョンを持つことが、平穏な海へ出航するための鍵となる」。夜明け前もいいが、そのあとの”a clear vision”「 明確なビジョン」や” sail back out into smooth seas”「平穏な海へ出航する」と、かっこいい言葉が続きます。慰めるだけでなく、今どうすればいいのかのアドバイスも述べています。

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