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総論賛成・各論反対:障がい者雇用の現実

障がい者雇用を促進することに賛成ですか、反対ですか。

そう問いかけたら、多くの人は賛成と言うと思います。
では、あなたの仕事の同僚として障がい者を配属するので、あなたが責任を持ってください。
そう言われたら、即座に「承知しました。頑張ります。」と言えますか?

かなり単純化したので色々雑な設定ですが、こうしたことが日本の多くの職場で現実に存在します。

「障がい者は雇用したいが、うちには障がい者にやってもらう仕事がない」
「ぎりぎりの人員でやっているので、障がい者を雇用する余裕がない」
「障がい者を雇用するための知見も経験もないので、現実として難しい」
「うちの仕事はコミュニケーション能力の高さが要求されるので、身体障がい者を優先して採用している」
「以前障がい者を雇用していたが、無断欠勤が続き、そのまま退職してしまった」

こうした声を何度聞いたことでしょうか。
私は長く人事の立場で仕事をしていたので、事情も気持ちもよくわかります。

でも、ああそうですか。やっぱり障がい者雇用は大手に任せましょう。
と言ったら、障がい者雇用は進まないままです。

その時の関係者も読者なので、あまり生々しいことは書けないのですが、就労移行支援事業所で、支援員の一人が適応障害を発症し、休職の後に退職してしまったことがありました。

その方は、同じミスを繰り返す、言われたことができない、ということで、他の支援員から厳しい指導をされていました。
心療内科で、ADHDのグレーゾーンと言われました。

ここで原因を追究することは本意ではありませんが、福祉・支援の現場ですら、こんなことが起きてしまいます。

きれいごとを言うつもりはありませんが、この総論賛成・各論反対の障がい者雇用の現実を、少しでも変えたい。
私のできることをしていきたいと思います。

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