良いものは時が教えてくる その１ 30年もののLevi’sのセーター
30年以上も前のセーターはこの冬も現役
良いものって何だろう？
と、単純に考えた時にいろいろなことが思い浮かぶ。
例えばその美しさだったり、機能性だったり、中にはその値段を理由にあげることもあるかもしれない。
ここでは、そんな物差しのうち、
『長く使ってもちゃんと使えるもの』
という点から自分が個人的に使っていて「良いものだな」と実感するものを紹介していけたらと思う。
言い換えると良いものは長く使える、良いか悪いかは長く使ってみないと分からない、と言えるのではないかなと思います。
題して、『良いものは時が教えてくれる』。
記念すべき第1回の始まり、はじまり――。
何はともあれ、初めにご紹介したいのは、あの「Levi's（リーバイス）」のセーターになります。
あの、と付けたのは、ジーンズの代名詞とも呼べるメーカーが出しているセーターだからです。なんだ、ジーンズじゃないのかよと思われるのは、もしかしたら年齢が上の方たちかもしれないですね。
話は逸れますが、今の若い人たちにはジーンズ＝Levi’s（リーバイス）というイメージは以前ほどないのかもしれません。
ひと昔前はリーバイスのジーンズを買うことはちょっとしたステイタスといいますか、他のジーンズとは一線を画すメーカーというイメージがあったと思います。今はいわゆるファストファッションのメーカーから2～3000円台で手頃にジーンズが買えるので、ジーンズに高いお金をかける必要もなくなったからでしょうか、Levi’sやEDWINなどのジーンズをメインにしたメーカーの認知度や需要は、相対的に下がっているように思います。以前を知るものとしてはちょっと寂しいですね……。いやいやそんなことない、今でも認識は変わってないぞ、ということでしたらごめんなさい。それであれば嬉しいことです。
話は戻りまして、このセーター。
30年以上、恐らく35年は経ってるであろうセーターです。写真では少し色味が分かりにくいですが、クリーム色をしています。
肩やひじの部分に補強のようなアクセントがあるのがポイントです。
冬になると箪笥から引っ張り出して、他の毛織物のセーターやマフラーと一緒にアクロンやエマールで自宅で洗濯をしてから、普段使いしています。
他のセーターなどと全く同じく、特別扱いなど一切せずに日々、着ています。で、あるのに関わらず、ほぼ、ノーダメージです。さすがにうっすらと首回りが黄ばんでますが、セーターでは起こりがちな、ほつれ、毛玉とは無縁です。専門的なことは分かりませんが、どうして毛玉ができないのか謎です。目が細かいことや、強く（？）しっかりと織られているからなのでしょうか。
あんまりにも謎なので、もしかしたらポリエステルなどの化学繊維でできてるのかと疑うほどです。
しかし……
毛100%であることが表示されています。
ほつれることなく、毛玉も出来ずに毎シーズン普通に着ることが出来る凄さ。手触りは少し硬めだけど、意外としなやかで、ごわつくことはない。古いものと分かるのは、サイズ感が今とは違い、割とタイトな作りだということ（年月が経って全体が縮んでいることもあると思いますが）。中に重ね着して一番上に着る、というよりは、中は下着やTシャツくらいにして、このセーターの上からデニムのシャツなどを羽織る、という感じです。
これだけ使い続けていながら現役で頑張ってくれてるので、愛着は湧きますし、これを世に送り出したLevi’sというメーカーに、尊敬の念すら抱きます。世界的なジーンズのメーカーでありながら、セーターにも変わりなく、良質さを当たり前のように求めたその姿勢は、本当に凄いなと思います。
ちなみに、このセーターの値段ですが、何かのセールで安くなっていて、確か5000円代で購入した記憶があります。当時ですら割と安いなと思いましたし、良い買い物をしたなと思ったものですが、今にして思うと金額では測れない、良い出会いをしたなと、つくづく思います。
衝動買いはあまりしない方で、他の似たような商品を比べたりして少しでも自分がより欲しいと思えるものを買いたいと、常々思っています。なので、気に入って買ったものは出来るだけ長く使いたいと思うのですが、このセーターは、その意味ではまさに“良いもの”と言い切れるものです。
今年の冬もそろそろ終わりに差し掛かりますが、この先もできるだけ長く、冬の時期には大事に着たいと思うLevi’sのセーターです。
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