毒くらわば

酒、コーヒー、タバコ、
これらの嗜好品の主成分というのはいってみりゃ毒。

様々な毒を良い感じで薄めて摂取すると何やら良いぞと。

人類は愚かしくも、なんというかもう愛おしい試行錯誤を続けて、わざわざ死なないギリギリで摂取してるわけなのだけど…。

その情熱というか、

フグはどこまで食べられるのか?
ここ食べたら痺れたけど、皮は大丈夫だった…みたいなアホアホなチャレンジのおかげで、僕らはフグチリやらテッサを食べられている。

このギリギリをついつい狙ってしまう性分というのは新しい食物、あるいは他の動物が手を出さない獲物の可食部分を見つけたり…
普段そこそこ取れている猟場をあえて外して、未開の場所で狩りをして思いのほか成果を上げる快感。
もちろん手ぶらで終わって落胆の日もあろうに…
「やったぜ!」っていう脳汁のために命を張るようなヤカラが群れに一定数いる事でそのグループは生き残る可能性が上がる。

そんなことからギャンブラー気質の個体、ついついギリギリを追求する個体が一定数群れにはいるのだそうで、全くよくできたもんだと。

しかし近年これだけ飢えから解放されて安定した社会基盤が出来てくると、
ギャンブラー気質、チャレンジャー気質の個体の必要度合いが下がってしまっているのも事実。

人類総安定派。

羊の時代。

果たしてそうやってトライエラーを避けて安全策を続ける事で逆に危険になってきているのが、現代なのではないだろうか。

おそらく世界のパラダイムを変革して行くのは一見ちょっとおかしいって言われるような、「えーい毒くらわば皿までよー」みたいなやけのやん八みたいな人達なのだと思う。

そのぐらい現在というのは硬直化していると思うのね。

見渡した時にちょっとおかしな奴がおかしなことしてる感じが割と違和感なく「ふーん」くらいのテンションで認められる社会が、本物のダイバーシティなんだろうなと。

だからって喫煙も飲酒も勧めませんけど。
ま、フグは別として。

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