見出し画像

AIの進化とプログラミング教育

このところAI(人工知能)の進化がスゴイことになってますね。
私たちの目につくところ、目につかないところで利用されています。
確定申告の作業から現実逃避するため
(だって赤字の現実を直視するのはツライから・・・)、
最近のAI事情をインターネットでリサーチしていました。
その時得た知見と感想をお伝えしたいと思います。


まじヤバい!

感想を一言でいうと

「・・・、・・・、これ、まじヤバい、・・・、・・・」

インターネットが普及し社会が変わっていくその真ん中で、
生きてきたました。
歴史的な変革の生き証人と自負していますが、
過去の経験に照らし合わせて見ても、
AIの社会に与えるインパクトは
インターネットとは比べ物にならない破壊力を想像させます。

さまざまなサポートに「チャットボット」が利用されたり、
Chat GPTのように無料でAIを使えるようなったり、
画像や音楽の生成AIが動画編集ソフトに組み入れられたり・・・。

つい最近だと
Microsoft社のブラウザEddgeに
”Copilot”(コパイロット)というAI機能が追加され、
誰でもAIを使えるようになりました。
今日は2024年3月23日。
一般の人がAIのすごさを体感できる環境が調ってきました。

AIが社会を変えるのはこれからが本番

現在のAIは、
私の感覚的なところでは
1995年ごろから一般に普及しはじめた
「インターネット」と同じ立ち位置にいるように感じます。

インターネットが
どのように世の中を便利にするのか、
わかったような、やっぱりわからないような、
そんな混沌とした雰囲気が漂う中、
インターネットに関連したスタートアップ企業が登場し始めたころです。

インターネットが普及し始めたころ、
当時を知らない方には信じられないかもしれませんが、

「インターネットは危険だから使うべきではない。」

といってインターネットの利用を邪魔することをおっしゃる方が多くみられました。(特に”専門家”や”専門家っぽい”方々)

その一方でいくつものスタートアップ企業が誕生し、
インターネットプロバイダのような新しい事業を立ち上げていました。

どちらがチャンスを掴んだか

今の状況をみれば明白です。

世の中を変えるテクノロジー

世の中を変えるテクノロジーは、新しい仕事・職業を作り出します。
一方で廃れる仕事・職業も出てきます。
AIのインパクトで社会が変わっていくのはこれからが本番です。

既にAIを事業の核に据えたスタートアップが続々と登場し、
インターネットと同じように
新し仕事・職業を創出し始めています。

一方で
廃れる仕事・職業もこれから目に見える形で現れるでしょう。
私の教室の子供たちが大人になるのをまたずに、
AIが社会を大きく変えていくことが予想されます。

一般にAIが人間の知性を超えることを「シンギュラリティ」という言葉で表現しています。

「いつかはそんな日がくるかもね。
 でも今じゃない。
 まあ10年ぐらいかかるんじゃない。」

な~んて考えていた私の予想は大ハズレ。
振り返ればすぐそこにいたって感じです。

創造や感情も含めた全ての面で
AIが人間の知性を超えたわけではありません。
ですが、知識ベースの知性は
人間の知性を超えているというのが私の感想です。

とりあえず
AIを補助知能として活用できるスキルが
まずは必要になると強く感じました。

そこで、
私の運営するロボットプログラミング教室では
今月からAIを積極的に利用する方針を固め、
実際にMicrosoftさんのCopilotを授業の中で生徒に使わせ始めました。

AIを上手く活用し、
AIと共創・共働・共存する未来はすでに現実となっています。
AIの進化が進む中で、
プログラミング教育の必要性もますます高まっているように感じています。

進化するAI vs プログラミング教育

2020年度から小学校でもプログラミング教育が始まりました。
私の教室の生徒に学校での授業の様子を聞くことがあります。
パソコンを使った授業が増えてきているようです。

子供たちから聞いた範囲なので正確なところはわかりませんが
「パソコンを使うこと=プログラミング教育の授業」
としている節があります。
たしかに
文科省でどんな教育を行うことを期待しているかを調べると、
小学生に対しては「情報デバイスを扱えるようになること」も示されています。

”””
「ちょっとまって!プログラミング的思考ってどこで習うの?」
「これってプログラミング教育じゃなくて、情報の消費者教育じゃね。」
”””
ってツッコミを入れたくなります。

現場を知らない人間なので誤解があるのかもしれません。
しかし、どうにもプログラミング教育っぽいことをやって
アリバイ作りしている感が否めません。

限られた枠内で授業しなければいけませんから、
現場の先生型も大変でしょう。
しかたないのかもしれませんが、
AIの進化のスピードと公教育のスピード感が

F1マシンと亀

ぐらいに感じます。
どうにかならないのでしょうか?
これは地方だからなんでしょうか?

プログラムを作るAIが登場しているんですけど・・・

AIが自動的にプログラムを生成することが可能になってきました。
これをもって

「プログラミング教育って必要?」

って考える方もいると思います。
プログラムがどのような工程を経て作られるか理解してもらう必要がありそうですが、それを説明する時間さえ惜しい。

「とにかくAIに触れてください。」
「AIを上手く使えない現状を自覚してください。」
「AIを上手く使うにはどのようなスキルが必要か考えてみて下さい。」

AIはあくまでツールであり、
その効果的な利用は人間の指示や目標に基づいています

AIの能力を引き出すのも、無駄にするのも、AIを使う人間に因ります。
そのことをぜひ体験し理解してください。

AIの能力を最大限に引き出すには

AI技術が進化する中で、人間の役割はますます重要になります。
AIを上手に使って、自らの未来を切り拓くためには、
目標を設定し、
実現のための方法を考え、
目標達成に向かって努力する力(試行錯誤)が不可欠です。

その力を、スキルを、習得させるための手段として
小学校でのプログラミング教育が導入されているのです。

直近でAIに関係した新しい仕事に「プロンプトエンジニア」があります。
AIが高品質なコンテンツを作れるように指示(プロンプト)を出す仕事です。

AIは「専門家」に例えられますが、学習の質によって導き出される結果が微妙に変わってくる可能性があります。
そのためAIモデルを理解し、より高品質な結果を得るため指示の精度を高めることが仕事として成立しているのです。

この指示(プロンプト)の設計・開発は、プログラムの開発工程にそっくりです。

  1. 解決したい問題を明確に定義(目標の設定)

  2. 具体的で理解しやすい表現の検討(実現方法)

  3. 多くの例文を与える(コード作成)

  4. 修正を繰り返しながら精度を高める(試行錯誤)

プログラムの開発工程に必要なスキルが、そのままAIを活用するためのスキルになっています。

既存の教育はAIに勝てるのか?

現在子供たちの学習は、
将来どのような道でも選択できるよう、基礎となる知識を網羅しています。AIの無い時代は、個人がその知識を持っていることが必要だったからです。

しかし、実用レベルのAIが登場した現在、

それは本当に必要なことでしょうか?

少なくともAIに質問を投げかけ、
その回答を理解できる知性は必要です。
最低限、義務教育レベルの学習は必要でしょう。

しかし、そこから先の話。
現在のような大学に入学するための学習は必要になるでしょうか?
大学を卒業するための評価は現在と同じでいいのでしょうか?

取捨選択の結果、
必要なものとそうでないものに分けられ、
さらに優秀さの評価軸が変わっていくだろうというのが私の感想です。

悲観的なシナリオを妄想してみる

一方で、AIがもたらす教育への悲観的なシナリオも思い描いています。
一般に、システムが大きくなればなるほど、影響範囲が大きく、
変えられない、または変えるのに時間がかかります。

”””
小中高大の教育システムは国家規模のシステムです。
影響を与える範囲が広く、さまざまな既得権者がいて、
「できれば現状維持」
「変えるにしても影響を少なくする」
というところが落としどころになっている。
”””
こんな妄想を前提に悲観的なシナリオを考えてみました。

”””
AIの進化により凄まじい変化が起こっている社会に対して、
次の教育課程の見直しが行われるまで学校教育は現状維持のまま
卒業後に有名企業への就職に夢を抱きながら、
従来通りの小中高大の教育カリキュラムを履修していく子供たち。

一方、企業では生き残りをかけてAIの導入を加速させている。
AIの自動翻訳で言葉の壁を越えた海外のシステムや労働力が導入され活躍している。
従来のホワイトカラーと呼ばれる職種の多くはAIに代替され、
必要とされる人員は少なく、
手足を持たないAIを補完する職業だけが残される。

そんな環境の変化の中で、学校を卒業する子供たちは就職先を探す。

~十数年後~

ロボット技術とAIが連携できるようになり、手足を得たAIはさらに活動のフィールドを拡大していく。
このころになると、
2024年頃の仕事・職業の多くがAIに代替されるか、
もしくは無くなり、
AIによる社会の変化から創出された新しい仕事に対応できた人と対応できなかった人の格差が生まれる。
それは経済格差であり、子供たちの教育は、時代を先読みした教育サービスを提供する私学と、必要最低限の公教育サービスに二極化され
教育格差を生み出す。

やがて、教育格差の帰結として身分の固定化された社会が形成される。
”””

断っておきますが、これフィクションですから。
私の個人的な妄想をベースにした悲観的なシナリオです。
こんな未来は嫌ですよね。書かなきゃ良かったと思っています。

でも書いてみて、現実になる可能性があるんじゃないかとビビってます。
いや~、どうしたらいいんだろう。

私は、地方の”今にも消えそうな”プログラミング教室のオーナーです。
できることも影響力も微力です。(そうとう無力よりですが・・・)
しかし、
微力であっても無力ではないと信じて、
AI時代をたくましく生き抜いていけるよう
子供たちを育成していきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?