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整いが約束された場所#2

 kjとuiちゃんとは毎週末とは言わないが、2.3週間に一度は一緒にサウナに行く仲だ。サウナの良さは感覚の話になるので、言葉では説明しづらいが、「整う」と言うのが一般的ではないかと思う。その「整う」理由が温冷交代浴にあるらしい。uiちゃん曰く「温めることで血管が拡張し、冷やすことで拡張した血管が収縮する。血管の拡張と収縮を繰り返すことで、血行が改善され老廃物や疲労物質が除去されたりする。」らしい。 その話を聞いて茹でた蕎麦やうどんを〆る絵が浮かんだ。蕎麦やうどんも茹でて、冷やすことでコシがでるというものだ。

 今回kjに誘われたサウナうちなんちゅは「現代最高峰の整いをお約束します」とデカデカと掲げているから、間違いなく、整いが約束されていると考えても差し支えはないだろう。基本的に僕はビギナーなので、サウナ事情に明るくはないが、整うと言う感覚は理解をした。整うというのは、言葉の通り、肉体的にも精神的にも整うと言うことである。

 サウナ屋さんの多くは、特色を大事にしているようだ。ダイバーシティ全盛のこの時代にマッチするように…。薪ストーブなのか、電気ストーブなのか、水風呂の温度は何度にするのか?ロウリュウや熱波師はどうするのか、などなど、趣向を凝らして他店との差別化を図ることに全てを捧げているように思える。

 友人のサウナ屋さんの主人は、脱サラをして北海道の旭川でサウナ屋さんをはじめたのだが、サラリーマン時代に彼はよくこう言っていた。
「もし恨みで火がつくのなら、今頃は新宿は焼け野原だぜ。」
と。
 このパンチラインの通り、おそらくは友人のサウナ屋さんの薪ストーブの薪に火を着けているのは、間違いなく恨みであるはずだ。そうなると、その日のお客さんによって燃え方に大きく影響があり、サウナ室内の温度も変わってくるから、恨み深い人と一緒に行くことをおすすめすることになりそうだ。スタッフ募集をする際には恨み深そうな人を見極める必要があり、募集要項にも怨恨待遇とデカデカと掲載することだろう。

ささてさて、サウナうちなんちゅに行くことになり、いつものように新宿駅で待ち合わせをした。

続く

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