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確かにイケメンって大抵つまんないよね

あんた、一般人のイケメンと喋ったことある?
9割方つまんないよ。

「僕の姉ちゃん」より

大工さんって、いいですよねぇ…
(急に)

わたしは、職人さんが好きなのです。
この道ひと筋30年、とか痺れます。

工事現場で、作業工程について(たぶん)あつく激論を交わしている方々なんかをお見掛けすると、あら…と見つめてしまって、相手から「なんですか?」という目を向けられ、動揺しつつ伏目がちな笑顔で会釈して通り過ぎることが時々ある、くらい好き(不審者)。

職人さんに限らず、その人特有の流儀があって、それを悠々と語れるような人に惹かれます。

今はどんな方がおモテになるのか、もはや特定のモテスタイルのようなものは消え失せたのか、市場から遠く離れて久しいので皆目検討もつきませんが、20年くらい前は、とにかく顔の良い人がキャーキャーと騒がれていた、ような記憶があります。

でも、わたしは所謂「イケメン」に魅力を感じたことがありません。

わたしの乏しい人生経験で恐縮ですが、今までお顔が頗る良い方と話していて、打てば響くというか、この人面白い!という感動を味わうようなことが、ついぞ無かったからです。

だから、冒頭のイケメン論をドラマ「僕の姉ちゃん」で聞いたとき、わたしは爆笑しました。
確かに、と。

イケメンはつまらない。
ルッキズムでしょうか。

でもこれは「胸の大きい女性はバカに見える」というような、根拠のない失敬な決めつけとは種類の異なる主張だと思っています。

何故かというと
「イケメンありき」ではないからです。

つまり、人と話していて
「なんかこの人の話、うっすいな」と思うと
「あら、そういえば(元)イケメンだわ」と気付く、という順番だから。

イケメン→つまんない
ではなく
つまんない→イケメン
という時系列だからです。
(詭弁かな)

その度、なるほど、この人はご自身の顔の良さに胡座をかいて、コンプレックスに打ちひしがれること等なく余裕ぶっこいて今まで過ごしてきたから中身がスッカスカでご自身の意見というものを持たずにここまで来てしまったのかもしれないな、などと妄想します。

生まれながらにして当たり前のように優位に置かれ、そのことに違和感を持たずにすくすく育ってしまうと、よほど意識しない限り努力する気概を持ちにくい、のかもしれません。

わたしはここで、ハタと気付きました。

でも、ある程度お年を召した方は割と
容貌と中身が一致するぞということに。

だってわたしは、職人さんの顔が好き。
彼らの醸し出す雰囲気と共に、眉間に刻まれた皺や、自信の漲る眼差しといった見た目も含めて、好きなのです。

美貌は老いることで少なからず失われますが、知識の深さや人間味、渋みなどは死ぬまで磨くことができます。

素敵なおじさま/おばさま方が、いぶし銀の如く輝いているのは、持って生まれたものがさほどではなかったからこそ、今までの人生で思い悩んだり努力したり考え尽くしたりしてきた結果の表れ、なのかもしれません。

※ただしイケメン/美人に限る
という注意書きに怯えて、どうせ自分なんか…と落ち込んでいる暇はありません。

人生後半で、巻き返してやりましょう。
共に、かっこいい大人を目指しましょうぞ。

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