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謝る必要、あんのかな

以前、コールセンターに勤めていた際に
簡単に謝罪するな
と教わりました。

もし先方がクレーマーだった場合、うっかりオペレーターが謝ってしまおうものなら、本来は会社に過失が無い事案に対しても「だってあなたの会社の人が謝ったもの!落ち度があるのを認めたってことでしょう!」などと言いがかりを付けられる恐れがある為です。

道理。

でも当時のわたしにとって、この論理は衝撃的でした。
それまでは、相手が怒っていたらまず謝れと繰り返し教わってきていたからです。

謝るな、という指導を受けたのは人生初であり、あの経験はきっと、今のわたしに少なからず影響を及ぼしていると思われます。

さて、不倫の話です(急に)。

不倫って、刑事ではなく民事ですよね。

民事事件とは、貸したお金を返してもらえない、会社から解雇を言い渡された、不倫相手に対して慰謝料を請求したい、などの私人間の一般的なトラブルのことを言います。

https://best-legal.jp/criminal-civil-cases-2011

私人間の一般的なトラブル…
やっぱり、他人は関係ないですよね。

わたしは個人的に、夫以外の人が誰と恋愛しようがしなかろうが不倫しようが、お好きにどうぞと思っています。

たとえば近しい人、きょうだいや両親や友だちが道ならぬ恋をしても、実質的な心配(慰謝料要求されるかもとか復讐されるかもとか)はするでしょうが、悲しい気持ちにはならないと思います。

ましてや裏切られた、とか、信じていたのに、そんな人だと思わなかったなんて、まったく思わない。

だってわたしが彼らを信頼しているポイントは、そこじゃないから。

冷たいよね、とかドライだよね、とよく言われます。
でも、そうなのかな。

わたしは、自分と他者は違う人間で、それは家族だろうが他人だろうが同じこと。
わたしの思い通りに、人が動くことなんかない、と思っているだけです。

逆に、自分の意のままになる、あなたはわたしのもの、どうして分かってくれないの、と思う方が傲慢なのではないでしょうか。

だって、天変地異って急に起こるし制御できませんよね。
鳥は鳴くし、植物は芽吹くし、犬はどうして今ってタイミングで散歩に行きたがるし、猫はなんでここをって場所を引っかきますよね。

それと、これと、何が違うんだろう。
人間には理性があるから?
理性があれば、不道理なことはひとつもしない?
本当に?

わたしは、不倫会見を開いて謝罪している芸能人を見ると、なんだか哀しくなります。

もし謝るとしたら、この人が謝るべきは自ら愛を誓ったであろう配偶者やパートナーであって、それだって結局は当人同士の問題です。
まして、それ以外の人に謝る必要なんて、あるのかな、と。

この人に謝らせる権利、わたしたちにあるのかな、と。

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