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大丈夫、わたしは失敗する

いつも、終点のひとつ手前の駅で降ります。

この「ひとつ手前」というのがミソで、わたしは時々降りるのを忘れて、終点まで行ってしまうのです。

嗚呼、乗り過ごし。

よほど疲れているか体がしんどいとき以外、わたしは座席に腰掛けないので、寝過ごしているのではありません。
ただ単純に、うっかりして乗り過ごすのです。

毎日のことだから習慣になっていて、百発百中ひとつ手前の正しい駅で降りられる、という人は多いと思います。

なんでそんなミスをするのか、意味不明、と。

でも、わたしは何かの拍子にそういう失敗を犯すのです。

考え事をしていたり
音楽を聴いていたり
noteで面白い記事を見かけたり

ほんのちょっと、気を取られた隙に。

ただ、わたしの強みは
わたしを知っていることです。

終点駅にまもなく着きますよ、というアナウンスを耳にして、静かにアチャー…と思ったわたしは

何のことはありません
わたしは普段通りですよ
という顔をして、慌てず騒がず待機します。

そして終点駅に着いたら、迷わず向かいのホームに向かいます。
割とすぐ、折り返しの電車が来ることを知っているからです。

なぜそんなことを知っているのかって?
初めてじゃ、ないからです。

今まで生きてきて、わたしはありとあらゆる乗り過ごしを経験しています。
今、使用している路線で乗り過ごしたら、どうすれば1番無駄なく修正を試みることができるか、わたしは知っているのです。

自分はこういうミスをする傾向にあるな、
と知っておくことは大事だと思います。

気を抜いた瞬間が危ないな、とか
記憶に頼ったら忘れるな、とか
週明けは特にぼんやりしているな、とか。

たまに「なぜわたしがこんな失敗を…」と愕然としている人を見掛けます。

その度に
あら、失敗に慣れてないのね
ご自身を信頼していらっしゃるのね
と思います。

自分を信じられるって
すごいことです。

わたしにその選択肢は、無かった。

大丈夫、こんなこと初めてじゃない
今まで100回、同じミスしてる
大丈夫、わたしは失敗する

と思っていれば

いざ失敗したときに堂々と
次の一手を打つことができます。

それはケアレスミスが多くて
些細なことで動揺しやすい
わたしの、ささやかな強みだと思うのです。

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