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薬を飲まなくても風邪は治る…?<前編>

子どもの頃、町医者が苦手でした。

もしかして親戚なのか?と疑うほど何故か距離感が近く、それでいて偉そうにふんぞり返り、患者には当然の如くタメ口で命令口調。

なぜわたしは否応なしにこの人の言うことを聞かなければならないだろうと疑問符を浮かべながら、無言・無表情で彼らの話を聞いていました(いやな子どもですね)。

鼻水止めも
咳止めも
抗生剤も
トローチも

大して効力を発揮することなく、でもその薬たちのせいで風邪症状に気持ちの悪さが加わった状態で、熱は出ない代わりにダラダラと具合が悪いまま丸々2週間続く風邪は本当に嫌なものでした。

お腹が空かないのに母はたんまりと料理を作り、食べないと「そんなんじゃ治らない」とガミガミ言い、嫌そうにすると更に怒るのでなるべく通常通りの感じを装いながら、頑張ってご飯を食べていました。

何かの本で「風邪を引いて食欲が無いときは無理に食べる必要なし/水分だけたくさん摂るべし」と書かれていたのを読み、わたしは「これだ!」と思い母に提案しましたが、即却下されました。

***

そんなこんなで、わたしは立派なおばさんに成長しました。
大人に、というか中年になったし、結婚して家を出たのでもう、母の言うことを聞く義務はない。

ということで、以下の通りの対策を施してみることにしました。

1)お腹が空かない限り食べない
  (水分は出来るだけ摂る)
2)基本的に病院には行かない
  (コロナとインフルの検査だけする)
3)西洋薬は飲まない
  (葛根湯と龍角散で凌ぐ)
4)出来る限り体を休める
  (会社は休み、最悪リモートで仕事する)

金曜の夜、喉の痛みを感じたので葛根湯としょうが湯を飲んで寝ましたが、土曜の朝を迎えたら悪化していたので万事休す、と思ったわたしは念の為、コロナとインフルの検査を済ませました。

両方陰性だったので、よし、風邪!と決まったからには休息一択。
自主隔離に励みます。

2Lペットボトルと
お腹が空いたとき用のゼリーと
暇になったとき用の雑誌
それらを寝室に持ち込み、あとはひたすら寝る。

あわよくば、丸2日寝るだけで治ったりするかなと思いましたが、期待も虚しく絶不調のまま週明けを迎えました。

「わたしは実に具合が悪うございますよ」ということを印象付ける為に月曜は這いつくばって出社し、でも午後は半休を取りました。

帰るわたしへ、同僚たちは口々に
「気を付けて帰ってね」
「明日も体調悪かったら無理しないで」
と仰います。

作戦成功。

…とは言え本当に具合は悪く、
家までの道のりってこんなに遠かったっけ
電車ってこんなにしんどかったっけ
元気そうにワイワイしてるお年寄りより
今はわたしの方が弱っている気がする
誰か席譲ってくんないかな
と思いながら、帰路につきました。

後編に続く。

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