だれかいませんか。ごぅんと哭く海の底のことなど想って眠る。
真夜中の空気をそろそろと撹拌する。
指先がどこまでもどこまでも宙に開かれていって、
海。
がくる。
うみってたとえばふやけた足の親指で、たとえばごいごいと縺れあった髪の毛で、たとえば膝の裏についた砂粒がきゅっと乾いていく感覚で、うぶ毛がきりきりと肌をひっぱる痺れで、
けれども、そのさきのさきに横たわるきんとした重たい水の《あを》をあたしは知らない。
おちてゆくゆすぶられるないているないて
こんにちは、ゾエア
知ったかぶりっこはもうゆきます。
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