さよならの王国から拐ってきた鳥の名前よ。はいどらんじあ。

せかいが滲んで流れてゆきます。
蜘蛛の巣の中で、静かに静かにいのちが循環している。音。
雨季に身を寄せて震えるちいさい鳥たち。

雨いっぱいにかみさまはいて、困り顔をしていらっしゃる。
みずたまりを蹴散らしながら、さむい道を一心不乱に歩く。

(さかさまにころがってゆく、うちゅう)

めぐるせかい
かみさまのなみだ
きえるせかいいのちはうまれる

青い道青い道青い道青い道

ゆ、ゆ、と呼ばれて顔を上げたら、
そこにはやさしいかたちのあじさいがひとつ、ころんと転がっているのでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?